全米各地で開催されるPGAツアーを戦う上で各選手が頭を悩まされるのが移動手段。トッププロのなかにはプライベートジェットで快適な転戦生活を送る選手も。またたとえばデービス・ラブⅢやバッバ・ワトソン(現在はLIV所属)、ジェイソン・デイらは“モーターホーム=キャンピングカー”でトーナメントからトーナメントに移動し、こちらも「家族と一緒の時間を作りたい」といった本人たちのニーズを満たしている。
そしてこのオフ、スピースもキャンピングカーを購入。さすがにハワイには持ってきていないが次週のカリフォルニアステージからキャンピングカー生活をスタートさせるようだ。
「ただのグランピングですよ。でもすごく楽しそう。キャンピングカーを手に入れたのは旅先でも家にいるような雰囲気を味わいたかったから。サミー(長男)のものもたくさん積み込んだしカリフォルニアシリーズ、そしてフロリダシリーズの楽しみが増えました」
家族と一緒にキャンピングカーでツアーを転戦すプロは10人前後いる。スピースによると妻アニーさんが「以前からそういう生活に興味があったみたいで友達を招いて旅をしたいといっています」
前途に広がるワクワクした時間を前に先週のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズでは大会前夜にドライバーにヒビが入るアクシデントに見舞われた。それでも4ラウンド中3ラウンドで60台をマークし13位タイに入っている。
「ここ(ソニー)では毎日5アンダーから6アンダー出せそうな気がする。いや出せると信じています。楽しむ準備はできている」とスピース。
17年の全英オープンでメジャー3勝目を挙げたあと3年以上スランプに苦しんだ彼だが21年に地元テキサスで復活優勝(バレロ・テキサス・オープン)してから好調を維持している。
昨年もRBCヘリテイジで通算13勝目を挙げツアー選手権に進出、フェデックスカップランキングも13位だった。若い若いと思っていた彼も今年の7月30代に突入する。待たれるのは17年以来のメジャー4勝目。それが全米プロならキャリアグランドスラム達成となる。
目に入れても痛くない長男に恵まれ、今度は新しい宝物=キャンピングカーを手に入れたスピース。日没サスペンデッドで暫定ながら首位タイの好スタートを結果に結びつけられるか注目だ。