多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はピン「i230」アイアン。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: 【試打クラブスペック(7I)】●ヘッド素材/431ステンレススチール ●ロフト角/33度 ●ライ角/62度 ●長さ/37.0㌅ 価格(税込)/3万800円(1本) ※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック(7I)】●ヘッド素材/431ステンレススチール ●ロフト角/33度 ●ライ角/62度 ●長さ/37.0㌅ 価格(税込)/3万800円(1本) ※すべてメーカー公表値

ピンゴルフの『iシリーズ』の最新アイアン『i230』を紹介する。バックフェース全面にエラストマーインサートを搭載した新構造で、ミスヒット時でも心地良い打感と打球音を生み出すことが特徴だ。

アイアンは7番のクラブ(シャフトは日本シャフト『NSプロ モーダス3 105ツアー(フレックスS
)』やヘッドを試打・計測していく。数値はすべて実測値だ。クラブ長さが37.0インチと標準的だが、クラブ重量は412.6gとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが268万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だとドライバーのヘッドスピードが44m/s くらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすい設計といえるだろう。

ピンのプロモデル「i系」のヘッド形状で、前モデル『i210』の雰囲気を踏襲している。フェース長は前モデルよりもわずかに短くなり、操作性の良さが想起され、また、FP値(フェースプログレッション)が5.1ミリと大きい、超ストレートネックが特徴だ。バウンス角は8.8度と大きいので、ダウンブローにスウィングするイメージが出ている。

実際に試打すると、オーソドックスなヘッド形状だが、リーディングエッジとトップラインが丸いため、少し球を包み込むイメージが出ている。そして、一般的なアイアンよりもスコアラインの長さが短いため、アドレス時に球に集中できるだろう。

試打クラブのシャフトは、適度なしっかり感で、ダウンブロースウィングにも耐えてくれる。また、メーカー表記ではロフト角は33 度、実測値でも32.9度とストロングロフトではないので、球は上がりやすい。そのため、プロモデルヘッドなのにやさしく感じるはずだ。また、フェース面の素材は431ステンレスで軟鉄より硬いが、フェース背面にエラストマー(ゴムのような素材)が入っていて、打音から来る431ステンレスの硬い打感を和らげている。そして、フェース面のスイートスポット高さは前モデル同様に22.8ミリと高く、ソールのバウンス角も大きいので、7番でターフを取るようなダウンブロースウィングに向いている。分厚いインパクトで、フェースの芯を食いやすく、かつソールの抜け感も良くなるだろう。

ヘッドの重心距離は38.3 ミリ、左右方向のヘッド慣性モーメントは2741g・㎠と前モデルとほぼ同じだが、少しフェース長が短い分、前モデルよりもネック軸周り慣性モーメントが5690g・㎠と小さい。その結果、前作よりもヘッドの操作性が良くなり、インテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作しやすくなっている。

画像: リアルロフト角は32.9度と大きく、球が上がりやすい。SS高さも22.8ミリと高く、バウンス各も大きいので、ダウンブロースウィングのゴルファーだと芯に当たりやすく、抜けもいい

リアルロフト角は32.9度と大きく、球が上がりやすい。SS高さも22.8ミリと高く、バウンス各も大きいので、ダウンブロースウィングのゴルファーだと芯に当たりやすく、抜けもいい

これがi230の計測データだ!

画像: フェースプログレッションが5.1ミリと超ストレートネックになっている

フェースプログレッションが5.1ミリと超ストレートネックになっている

※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号「松尾好員 責任計測×責任分析 ヘッドデータは嘘つかない!」より

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