米シニアツアーの今年の初戦、三菱エレクトリックチャンピオンシップatフアラライが1月19日に開幕。50歳以上の選手が出場するPGAツアーチャンピオンズで今年、大記録がかかっている選手がいる。御年65歳、シニア16シーズン目を迎え、本大会を2015年に制しているドイツのベルンハルト・ランガーだ。
昨年までの15シーズンで年間王者に6度も戴冠し、賞金王になること11回。シニアの5大メジャーを制覇しグランドスラムを達成した唯一のプレーヤーだ。昨シーズンも2勝を挙げ、通算優勝回数は44回。これがヘイル・アーウィンの持つシニアツアー通算45勝という史上最多勝利にあと1勝と迫っているのだ。シニア入りしてから毎年欠かさず勝利を挙げてきたB・ランガーは2位40回、3位27回、トップ10入りは210回と、群を抜いた強さを発揮。ケガさえなければ今年中に大記録を達成することだろう。
ランガーは15歳でプロ転向。1980年に初優勝し、欧州ツアーで頭角を現すと83年には3勝を挙げ、11月の第3回カシオワールドオープンに招待選手として参戦。会場の鹿児島県・指宿GC( 現・いぶすきGC )は初日から強風が吹き荒れるが、本場のリンクスで鍛えられたB・ランガーはものともせず難コースをねじ伏せる。追い上げる日本勢を振り切り、ただひとり4日間でアンダーパーをマークし、日本ツアー初優勝を飾った。
その2年後のマスターズでは米ツアー&メジャー初制覇。ドイツ人として初、ヨーロッパ勢としても史上2人目だった。86年にスタートした世界ランキングでは初代1位。93年には2度目のマスターズチャンピオンに輝き、2002年には世界ゴルフ殿堂入りを果たしている。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月31日号「ニッポンゴルフ初物語」より