身長が伸びて、腕も太く、体幹もしっかりしました。いまのスウィングはどうですか?
「1年前は、クラブの動きを邪魔しない素直なスウィングでしたが、いまはクラブを上体の力でコントロールしようとしていますね。目指している方向が、マキロイのような筋力ですべてを押さえ込むスウィングなら、チャーリー・ウッズくんにとって正常な進化かもしれませんが、タイガーとは少し違う方向に向かい始めたのかな、と思います」
それはどんなところに表れていますか?
「一番わかりやすいのはフォロースルーです。1年前はクラブを放り出すようにして、自然な動きに任せていましたが、いまは腕力を使ってインサイドに引っ張っていますね。アドレスでも左を向いて、ボールも左に置いて、上体の力でフェードを打とうとしていますね」
これからどうなっていくと思いますか?
「まだ13歳ですから、これからタイガーがアドバイスを送ると思いますよ。1年前のスウィングはタイガーから受け継いだしなやかさを持っていたので、これでパワーがついたらいいなぁ、と思っていました。それが、現時点ではパワーだけが前面に出ている感じなので、パワーとしなやかさのバランスがこれからどう変わっていくか、いまから1年後が楽しみですね」(横田)
チャーリー・ウッズくんとタイガー・ウッズのスウィングを比べてみた
腕の筋肉を積極的に使うスウィングに変化したチャーリー・ウッズですが、タイガー・ウッズとの共通点はありますか?
「チャーリー・ウッズくんは、1年前はストロンググリップでしたが、いまはタイガーと同じウィークグリップになっています。ストロンググリップは腕を使わないグリップで、ウィークグリップは腕を使うグリップなので、チャーリー・ウッズくんのいまのスウィングは、このグリップの変化とも関係があると思います」
他に共通点は?
「シャット気味にフェースを使っているところが同じですね。切り返した瞬間の2人のフェースの向きを比べると、フェースがけっこう上のほうを向いているのがわかります。あと、タイガーはこれまで何度もスウィングを変えて成功した唯一のプレーヤーですから、チャーリー・ウッズくんのスウィングのこの変化自体も、タイガーとの共通点と言えるかもしれませんね」
※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月31日号「チャーリー・ウッズただいま進化中!」より