PGAツアーはカリフォルニアスウィング第2戦のファーマーズ・インシュランス・オープンが、08年の全米オープンでタイガー・ウッズがメジャー14勝目を飾ったトリーパインズで開催されている。2日目を終え伏兵サム・ライダーがただひとり二桁アンダー(12アンダー)をマークしトーナメントをリード。
しかしそこにデシャンボーの姿はない。LIVに移籍したとことで、PGAツアーの出場資格を剥奪されている全米オープンチャンピオンはLIVゴルフ開幕を前に、2月2日から5日におこなわれるアジアンツアーのPIFサウジインターナショナルでシーズンをスタートさせる。
オフの間、彼がおこなったのは飛ばしの神様バークシャーとのセッション。かつてスコアを競うゴルフ競技と飛ばしだけを追求するロングドライブは別ものといわれ、ツアープレーヤーとロングドライブプレーヤーが交流することなど考えられなかった。
だが一昨年デシャンボーがロングドライブの世界に乗り込み、ベスト6に食い込んでから両者の垣根は取り払われ、バークシャーがデシャンボーにボールスピードを上げるコツを伝授すれば、いずれ競技ゴルフに戻りたいと考えているバークシャーに、デシャンボーがツアーで戦うために何が必要かをアドバイスするようになった。
「ブライソンがゴルフについて教えてくれた最大のことの、1つはスウィングがきれいかそうでないとか、見た目の善し悪しは関係ないということ」と昨年12月にボールスピード史上最速の時速236.2マイル(約105.6m/s)、飛距離450ヤード超えを達成したバークシャーはいう。
「飛ばしだけでなく、ゴルフのゲームに取り組み続けていて、上手くなったらいくつかの競技でプレーしたいという目標を持っている。練習でクラブを振りながら自分のスウィングがどれだけきれいか、は問題ではない。このスウィングはどれだけ再現性が高いか? それが重要なんだ」
「どんな振り方をしても、毎回同じスウィングができればそれが武器になる」というデシャンボーのアドバイスを胸にバークシャーは日々鍛錬を重ねている。
とんでもなくレベルの高い選手たちと互角に戦うまでにはまだ遠い道のりがあるだろう。しかしいつかロングドライブチャンピオンが、競技ゴルフの垣根を越えツアーに挑戦する日がやってくるかもしれない。そのとき彼は「師匠はデシャンボー」というのだろうか。