勝みなみにはコーチはいない。自分のスウィングは常に自分で見ているという。
「いいときのスウィング、力感、バランス、力が入ってるかどうかなど、そういうのを見ながら、自分で調整していきます」
自分を客観視できる能力が高いのだ。以前、「いつも、もう一人の自分が自分を見ている感じです」とも話をしていた。
もちろん、コーチなどのアドバイスが欲しいと思ったことはある。
「今のところはご縁がないだけです。いいご縁があったらぜひ、とは思っているんです」
課題もしっかりと持ち帰った。
「もっとトレーニングを頑張りたいと思いました。体力はあるほうだと思いますけど、もう少し体幹も鍛えたいし、飛距離も欲しいと思いましたので、今やっているトレーニングも続けつつ、見直して新しいことも取り入れながらやっていきたい」
勝はトレーニングが好きだ。体もゴルフも変わることが楽しいという。
「体を動かすってすごく大事だと思うので、皆さんもぜひいろいろなトレーニングをやってほしいです。ケアも大事ですけど、マッサージというよりはトレーニングのほうがいい。
器械を使うもの、体幹トレーニング、どちらも大切。走ることも全身運動なので、それだけでもよいと思いますが、ときどきはトレーナーさんのところに行き、やるべきことを学んだら、あとはもう、街のスポーツジムなどいつでも行けるところで取り組むだけでも全然変わると思います」
飛距離もあと15ヤードくらいは伸ばしたい。
「実は最終日、一緒に回っている選手に50ヤードくらい置いていかれました、男子みたいで。
私も飛ぶほうだとは思いましたけど、やっぱりもう少しあったほうがもっと大きいゴルフができるなと。まあ、飛距離が伸びなくても強い体があれば変わってくることはあると思います。
そして100ヤード以内の練習はしっかりしたい。特に50ヤード以内のアプローチを強化したいです」
今年1年は拠点を作らず、母・久美さんとの二人三脚になる。
「とりあえず1年は母と2人で行ってみようかなと。炊飯器でご飯も作ってくれますし。今回、母も『意外と生きていけるね』って(笑)。
パスタや洋食系も好きですし、味が薄ければ自分で味付けすればいいし、レストランも美味しいと言いながら食べていたので、まったく問題ないと思いました。
今回(のQT)は母が英語も全部対応してくれたので、もう少し勉強して、少しでもしゃべれるようにしていきたいですね。
キャディはマネジメント会社に紹介してもらい、現地のキャディさんにお願いします。英語も覚えられますから」
――夢の米ツアー、あらためて今の気持ちは?
「あの世界ランキング上位の選手と一緒に戦えるだけで、自分のゴルフスキルがだいぶ上がると思うので、それがすごく楽しみで」
夢の舞台は、勝にとって、成長の舞台にほかならない。
――目標や憧れの選手は?
「あんまりいないんです。でも、(ブルックス・)ヘンダーソンなんかは、もう一度回りたいなと思います。かっこいいです」
――1年目の目標は?
「ケガなく一年間終えることと、まずは1勝したいです。そのために、このオフはしっかり取り組んで行きたいです。
でも私、コースはあまり知らないんです。ペブルビーチも聞いたことあるな、くらいの感じなので(笑)。
でもこのスタンスでいこうかなと。あまり意識してしまうよりいいかなと思っています」
最後にもう一つ、目標があると笑う。
「大谷翔平選手を見に行きたいです。あ、でも日本で阪神戦にも行きたいんですけどね」
勝みなみは、今年も自然体で挑んでいく。(了)
※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月7日号「勝みなみ アメリカへ!」より