多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はマジェスティゴルフ「コンクエスト フォージド」アイアン。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: 【試打クラブスペック/7I】●ヘッド素材/S20C ●ロフト角/32度 ●ライ角/62.5度 ●長さ/37.0インチ ●価格(税込)/21万7800円(♯5~PW・6本セット) ※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック/7I】●ヘッド素材/S20C ●ロフト角/32度 ●ライ角/62.5度 ●長さ/37.0インチ ●価格(税込)/21万7800円(♯5~PW・6本セット) ※すべてメーカー公表値

高精度なCNC加工と軟鉄素材を鍛造した伝統的な和のテイストを残したマジェスティゴルフ『コンクエスト フォージド アイアン』を紹介する。

早速、試打・計測していこう。アイアンは7番のヘッドとクラブ(シャフトは『NSプロ 950GH neo(フレックスS)』仕様)で、数値はすべて実測値になる。

クラブ長さが37.06 インチ、クラブ重量も416.9gとどちらも標準的だが、スウィングウェイトがD2.6と大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体慣性モーメントが272万g・㎠と大きくなっている。この数値だと、本来はドライバーのヘッドスピードが45 ~ 46m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計と言えるだろう。

ヘッドは、いわゆるツアーモデルよりもフェース長は少し長いがプロモデル形状で、フェースプログレッション(FP値) が2.9ミリと、少しグースネック感が出ている。フェースのヒール側の高さに比べてトウ側の高さが低いので、数値上は62.0度とアップライトなライ角だが、アドレスではフラットに見え、球がつかまり過ぎるイメージが出にくくなっている。

実際に試打したところ、本格派ツアーモデルよりも長めのフェース長ということもあり、アベレージゴルファーでも十分扱えそうだ。ネックが長く、そのネック上部に入れられたローレット模様によって懐かしい感じも出て、シニア世代には受けそうだ。またヘッドの背面は機械加工でシャープかつ綺麗に仕上げられていて、所有欲をそそる形状となっている。

試打シャフトは適度なしっかり感があり、インパクトの再現性も良い。7番アイアンは、最近よく見られる5番アイアンのようなロフト角が25 ~ 26 度の超ストロングロフトではないので、フェアウェイのあるがままの状態(ドロップした状態)からでも球が楽に上がり、スピンも入ってグリーン上で球を止めやすいイメージがある。

軟鉄ヘッドで、フェースに肉厚があるので、打感もいい。形状から、結果的にインパクト音も低く、打っていて気持ちいい感じがする。軟鉄ヘッドの素材特性で球の飛び過ぎがなく、縦距離のばらつきが少ないイメージだ。ヘッドのネック軸周りの慣性モーメントが5221g・㎠とやや小さく、ヘッドの操作性がいいので、インテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作しやすい。

ソールにバウンスはなく、マイナス0.8度のスクープソール設計なので、普段アイアンでフェアウェイのターフをほとんど取らないスイープなスウィングのゴルファーが打ちやすいと感じるだろう。

画像: マイナス0.8度のスクープソールと、やや短め重心距離の36.1ミリというヘッド設計

マイナス0.8度のスクープソールと、やや短め重心距離の36.1ミリというヘッド設計

これが「コンクエスト フォージド」アイアンの計測データだ!

フェースプレグレッションが2.9ミリでややグースネック。そのグース感とネック長の長さ、ネック上部の加工と古き良き軟鉄鍛造アイアンの趣がある。

ライ角は62度だが、フラットに見えるトップラインのおかげでつかまり過ぎるイメージがないのも上級者には嬉しい。

また、重心距離は36.1ミリとやや短い。短めの重心距離で、ネック軸周りの慣性モーメントが5221g・㎠とやや小さめなので、ダウンスウィングでヘッドが返りやすく、球をインテンショナルにコントロール可能だ。

画像: ソール角がマイナス0.8度で、払い打ちのゴルファーに合う

ソール角がマイナス0.8度で、払い打ちのゴルファーに合う

※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月21日号「松尾好員のヘッドデータは嘘つかない!」より

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