2月初旬に開発されたPIFサウジインターナショナル。今年からDPワールドツアー(欧州ツアー)が外れてアジアンツアー単独の試合となったことから、欧米ではあまり報道されることが少なかったが、話題は多かった。
何より世界ランクのポイント対象となるこの試合にLIVゴルファーが多く参戦したことで、そのプレーぶりが注目された。
結果からいえば昨年LIVに移籍したA・アンサーが優勝し、2位は“PGA派閥”のC・ヤング。P・リードは25位タイ、H・ステンソンやS・ガルシアは28位タイ、B・ケプカは46位タイなどLIV勢の活躍ぶりは周囲の予想ほどではなかったが、アンサーの優勝で面目を果たしたといったところか。
もう1つ話題を呼んだのは、大会直前に発表された女子のアラムコ・サウジレディスインターナショナルを男子と同じ賞金総額の500万ドル(約6億5000万円)にアップしたという発表。
「これは欧州女子ツアーと女子ゴルフ界にとって大きな一歩だ。他の試合や企業が将来、男子の大会と同等の賞金にされるという基準ができることを望んでいる」と17、18年の欧州女子ツアー賞金女王であり、同大会のディフェンディングチャンピオンのG・ホールは語っている。
両大会のメインスポンサーであるPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)はLIVのスポンサーでもあり、このトップはサウジアラビアの国有石油会社であるアラムコ石油のトップでもある。
実質的な“スポーツウォッシング"ととらえる向きもあるが、ジェンダー平等いう観点からいえば、賞金同額は当然のことなのかもしれない。以前、USGAは「他の女子の試合とのつり合いが取れなくなる」として、男女の全米オープンの賞金の違いを説明していたが、同一団体が開催する試合では、あるいは今後、男女の賞金差をつけづらくなるのかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月28日号「バック9」より