昨年の全英オープン以来7カ月ぶりの競技復帰となったタイガー・ウッズ。ジェネシス招待で4日間を完走し「72ホール体が保ったのは収穫。ケアをしてくれているスタッフに感謝したい」と笑顔で語り「勝てなかったのは残念だけれどそれ(優勝)は来年に取っておく」と前向きな発言をおこなった。

            

16歳のときPGAツアーデビューを飾った思い出の大会で「いまここでホストを務めている。あの頃はそんな未来が待っているとは思いもしなかった。感慨深いね」とラウンド後テレビインタビューで語ったタイガー。

当時の映像が映し出されると「痩せていたね。体がよく回っている。でも今とスタイルは変わっていない」と少年時代の自らの姿に目を細めた。

リビエラCCの小高い丘の上にある1番のティーングエリア。1983年のあの日、話題の少年の登場に数多くの取材陣が列をなしたが、あいにくその日は曇天。カリフォルニアの青い空を背景に将来有望な褐色の肌の少年の勇姿を撮影しようと待ち構えていたカメラマンたちを失望させた。しかしタイガーが登場すると分厚い雲が割れまるでスポットライトのように彼を照らし出した。

それは神の采配だったのか? 天候まで味方につけた彼に「やっぱりタダものじゃない」と報道陣は唸ったもの。あれから30年、47歳になったタイガーは右脚粉砕骨折を乗り越え再び小高い丘のティーングエリアに戻ってきた。

「72ホール歩き切れるかが問題」といっていたが予選カットぎりぎりながら松山英樹が予選落ちした大会できっちり決勝ラウンドにコマを進めた。3日目には“あの”1番でイーグルの見せ場を作り26位タイまで順位を上げ「まだ上に行ける」と最終日に期待を持たせた。

しかし最後は「あちこちでもったいないミスを重ねてしまった。グリーンが乾いてきてそのスピードが少しつかみにくかった」と2オーバー73。途中右脚を引きずるような場面もあり45位タイで終戦した。

それでも「ゴルフ自体は問題ない。一晩中アイスバス(アイシング)に浸かってケアをして翌日のゴルフに備えていたからね」と手応えをにじませたタイガー。そして「まだ何も決まっていないけれど、目標は4つのメジャーすべてに出ること」と4月のマスターズへの出場を示唆した。ちなみに45位タイは昨年のマスターズ(47位)を上回る事故後最上位。

次回のマスターズでもまた今回のように「勢いのある連中をやっつけられると思わなければ舞台には上がらない」と優勝を目指すに違いない。トーナメントに彼が登場するとギャラリーは激増する。熱狂的なファンの声援を受けタイガーがオーガスタの杜を闊歩する姿を見るのがいまから待ち遠しい。

画像: 優勝したJ・ラームにトロフィを渡し握手する、この試合ホストのタイガー・ウッズ(写真は2023年ジェネシス招待 Photo/Getty Images)

優勝したJ・ラームにトロフィを渡し握手する、この試合ホストのタイガー・ウッズ(写真は2023年ジェネシス招待 Photo/Getty Images)

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