昨シーズンは川﨑春花、尾崎彩美悠、岩井千怜がルーキーながら優勝を挙げた。昨年のプロテストを1位で合格した神谷そらは、今年、ルーキーシーズンで活躍が期待される19歳の新人プロ。「大空のように広い心を持ってほしい」。そんな願いから名づけられた神谷そらが、大空へ羽ばたく日は近そうだ!

中2で初めてプロの試合に出て「プロになりたい」って強烈に思いました

2022年のプロテストでトップ合格した神谷そら。ファイナルQTも7位と好成績を収めた、今季注目のツアールーキー。どんな子ども時代を過ごしたのか?

「森と山に囲まれた田舎で過ごしました。町内にはお店もないですし、信号もないかもです。外で遊ぶことが多く、よく男の子たちと鬼ごっこをしていましたね」

ゴルフを始めたきっかけは?

「テレビで女子ツアーの試合を見ていて、ゴルフが好きだった父が『やってみるか』って誘われて始めました。6歳のときです。最初の記憶はもうないですが、楽しかったから今でも続けているのかなって思います。母が水泳の選手だったので3歳から水泳は習っていましたが、ゴルフが楽しくなって水泳は小6でやめました」

画像: 神谷そら/2003年4月18日生まれ。岐阜県出身。2021年、2022年中部女子アマ連覇。QTランク7位の資格でツアーに初参戦する。167センチ、60キロ、AB型

神谷そら/2003年4月18日生まれ。岐阜県出身。2021年、2022年中部女子アマ連覇。QTランク7位の資格でツアーに初参戦する。167センチ、60キロ、AB型

小2で初競技を経験した神谷は、全国レベルまで実力をつけ、中2のときに初めてプロの試合、中京テレビ・ブリヂストンに出場。当時の思い出を聞くと…

「人がいっぱいいて怖かったです。ジュニアの試合にギャラリーはいませんし、人に見られながらのゴルフをしたのは人生初でした。でもこの経験が大きなきっかけになっています。人前でプレーがしたいわけではないのですが、プロの試合でゴルフがしたい、プロゴルファーになりたい、そう強く思ったんです」

全国中学校ゴルフ選手権で優勝も果たした神谷は、地元・岐阜県内の麗澤瑞浪高校に進学。そして、ゴルフ部に入部する。

「高校のとなりに練習場があって、そこが使えたのでゴルフをする環境はよかったです。ただ部員数が少なく、中部大会までしか出場できませんでした」

麗澤高校といえば、ツアーで活躍する吉田優利、西郷真央の出身校で、名門ゴルフ部のひとつ。

「同じ学園なので先輩といえば先輩ですが、私は姉妹校でしたのでお会いしたことはないんです。同じ学園内で先生の転勤があったので(吉田)優利さんを教えていた先生が瑞浪高に来て、優利さんの練習方法などの話は聞いていました」

神谷そらの武器。「飛距離を生かした攻めのゴルフです。ちょっと曲がりますけど(笑)」

中学・高校とゴルフ漬けの日々を送ってきた神谷は、アマチュアとして多くのプロの試合に出場している。当時から"飛ばし屋"として注目を集めていた彼女だが、その原動力はどこにあるのか?

画像: 契約メーカーはヤマハ。ドライバーの平均飛距離は260ヤード

契約メーカーはヤマハ。ドライバーの平均飛距離は260ヤード

「最初に入ったゴルフスクールが大人と一緒のスクールだったんです。それでいつもおじさんたちとドライバー勝負をしていたんです。小学生ですからまったく勝てないんですけど、悔しいからドライバーを振りまくっていました。そのときに"振り切る"という感覚が身についたんだと思います」

「小学生のときは1時間くらいずっとドライバーばかり打っていましたね。だから私の得意なクラブはドライバーです。飛距離を生かした攻めのゴルフが私の武器なのかなって思います。ちょっと曲がりますけど(笑)」

ドライバーの平均飛距離は260ヤードという神谷そら。女子プロのなかでも飛ばし屋の部類に入るだろう。ギアへのこだわりはあるのだろうか。

「もともと弾道が高いほうなのでロフトは9.5度にしています。ボールが上がりすぎず、ランが出るのが好みで、いま使っている『ヤマハ RMX VD』に替えて、飛距離がさらに伸びました」

「あとはシャフトです。しなるシャフトだとタイミングが合わなくなるんです。だから硬めの5Xを使っています。リズム音痴なのかもしれないですね…」

画像: 注目の19歳ルーキー、神谷そら

注目の19歳ルーキー、神谷そら

いよいよ女子ツアー開幕を迎えるが、どんな心境なのだろう?

「正直にいえば不安です。ワクワクもありますが、長期間の試合は経験したことがないから想像できません。とにかく頑張るだけです。目標はシード権獲得です。ウチは妹(2人いる)たちが学生ですから母がずっと同行してくれるわけではありません」

「父や祖父母も含め、家族にサポートしてもらいながらツアーを転戦することになると思います。将来的には米女子ツアーにも行ってみたいです。アマチュアのときに知り合った友人たちが米女子ツアーに出ているので、また会いたいですね。ティティクル選手(世界ランク4位/アタヤ・ティティクル)は試合で一緒になったことがあって写真も撮りました。ゴルフの次元が違いましたけど(笑)」

最後に飛ばしのコツを聞いてみた。

「ずばり瞬発力です。私、感覚派なので上手く言葉にできないんですけど、ジャンプ系の動きです。私の股関節が硬いといのもありますが、飛ぶような瞬発力を意識するといいと思います」

画像: 2022年プロテストトップ合格。写真左は神谷と仲良しの藤井美羽(高3)。10年以上の付き合いだというが「美羽は私の妹です。超可愛くていつも一緒に行動しています」

2022年プロテストトップ合格。写真左は神谷と仲良しの藤井美羽(高3)。10年以上の付き合いだというが「美羽は私の妹です。超可愛くていつも一緒に行動しています」

開幕戦が行われる琉球ゴルフ倶楽部の1番はストレートな380ヤードの飛ばしホール。その飛距離に注目が集まりそうだ。

神谷そらのQ&A
●好きな食べ物/フルーツ
●嫌いな食べ物/牛乳
●好きなスイーツ/フルーツ
●怖いもの/戦慄迷宮(お化け屋敷)
●好きなアーティスト/BTS
●好きな俳優/広瀬すず
●好きな動画/YouTube「おるたなChannel」
●好きな色/水色
●好きな数字/24
●特技/どこでも寝られる
●勝負飯/焼肉
●ゲン担ぎ/試合のときは9時間以上寝る
●誰とラウンドしたい/テレサ・ルーさん。憧れの選手

※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月7・14日合併号より(PHOTO/Osamu Hoshikawa)

※2023年2月27日15時1分 文章を一部修正しました。

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