千葉県の総武CC総武コースの開場日にホールインワンを達成したゴルファーは近藤利雄さん。厳密にいうと開場日の翌日なのだが、希望者が多かったため、2日間を開場記念のメンバー無料招待日としたため、開場日のホールインワンとしても問題はないだろう。
5月25日に西コースの7番、153ヤードのパー3を見事一発で仕留めたのだ。ラウンド後、同伴者3人とお祝いをしようと、クラブハウス内の寿司屋に行き新鮮な魚介類を楽しんだというが、いざ勘定を払う段になると、無料招待日のため、この特別注文も無料。
「ホールインワンにもビックリしましたが、これにもビックリしましたね。ゴルフ場に大変な迷惑をかけたのではと思っています」と当時のことを振り返っている。ただ、近藤さんの名前はホールインワンボードには記されていない。ここに記名されるのは公式競技で出した人に限られるからだ。
だが、世の中にはもっとすごい人がいた。開場日その日の第1組で達成してしまったのが井上智さん。1975年5月30日に開場した栃木県の報知チサンCC黒羽(現・大田原GC)の開場日にそれは起こった。
開場記念式典としてテープカットが行われた後、井上さんは第1組で理事長らと中コースからスタート。そして迎えた谷越えの4番パー3。開場日のためカメラマンなども一緒について歩いていたという。
「一発で入れるから、いい写真撮ってよ」と軽口を叩き、5番アイアンで打った球はピンに真っすぐ向かい2バウンドしてカップイン。開場したてのゴルフ場で、まだ誰もプレーしたことのないホールで、スタート後わずか1時間で記録した快挙だった。井上さんは、その後77年と79年に同コースでクラブチャンピオンに輝いている。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月7・14日号「ニッポンゴルフ初物語」より