およそ3000~4000人にひとりの割合で出ていると言われているホールインワン。だが、ゴルフ場の開場日という、そのコースに1日しかない日に快挙を達成したゴルファーがいた。
画像: 総武CC総武コース。1964年5月24日に開場し、24日と25日の両日をメンバー無料招待の日とした。西コース7番・パー3(写真)で25日にホールインワンが出た

総武CC総武コース。1964年5月24日に開場し、24日と25日の両日をメンバー無料招待の日とした。西コース7番・パー3(写真)で25日にホールインワンが出た

千葉県の総武CC総武コースの開場日にホールインワンを達成したゴルファーは近藤利雄さん。厳密にいうと開場日の翌日なのだが、希望者が多かったため、2日間を開場記念のメンバー無料招待日としたため、開場日のホールインワンとしても問題はないだろう。

5月25日に西コースの7番、153ヤードのパー3を見事一発で仕留めたのだ。ラウンド後、同伴者3人とお祝いをしようと、クラブハウス内の寿司屋に行き新鮮な魚介類を楽しんだというが、いざ勘定を払う段になると、無料招待日のため、この特別注文も無料。

「ホールインワンにもビックリしましたが、これにもビックリしましたね。ゴルフ場に大変な迷惑をかけたのではと思っています」と当時のことを振り返っている。ただ、近藤さんの名前はホールインワンボードには記されていない。ここに記名されるのは公式競技で出した人に限られるからだ。

だが、世の中にはもっとすごい人がいた。開場日その日の第1組で達成してしまったのが井上智さん。1975年5月30日に開場した栃木県の報知チサンCC黒羽(現・大田原GC)の開場日にそれは起こった。

開場記念式典としてテープカットが行われた後、井上さんは第1組で理事長らと中コースからスタート。そして迎えた谷越えの4番パー3。開場日のためカメラマンなども一緒について歩いていたという。

「一発で入れるから、いい写真撮ってよ」と軽口を叩き、5番アイアンで打った球はピンに真っすぐ向かい2バウンドしてカップイン。開場したてのゴルフ場で、まだ誰もプレーしたことのないホールで、スタート後わずか1時間で記録した快挙だった。井上さんは、その後77年と79年に同コースでクラブチャンピオンに輝いている。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月7・14日号「ニッポンゴルフ初物語」より

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