いよいよ、国内女子ツアーが開幕する。開幕戦は今年で36回目を迎えるダイキンオーキッドレディス。舞台となる琉球GCは1977年の開場だが、沖縄のゴルフは1948年に米軍の保養施設としてオープンしたアワセメドウズGCから始まっている。当初は米軍関係者のみにしかプレーは認められていなかったが、60年代に入ると民間人にも門戸を開放。そして65年には民間初のコースとして沖縄CCが開場した。
そして沖縄の本土復帰から3年目の75年に開場したのが那覇GC。本土復帰40周年の2012年には沖縄初となる日本オープンの舞台にもなった。那覇GCでは04年と05年に男子ツアーのアジア・ジャパン沖縄オープンも開催しているが、それよりも20年以上前の1981年に女子の試合も行われていた。それが沖縄牧港自動車レディス。
2日間大会だが、この年の開幕戦に位置付けられ3月7日に初日を迎えた。初日3アンダーでトップに立ったのは樋口久子。しかし2日目はスコアを崩し、最終18番パー5を迎えた時点では、先にホールアウトしていた台湾の呉明月に1打遅れをとっていた。
だが樋口のドライバーでのティーショットは確実にフェアウェイをとらえ、2打目も素晴らしいショットでグリーン手前15メートルにつける。バッグからPWを抜き、放った第3打。ボールはピンを目がけて真っすぐに転がり、カランという乾いた強い音を立ててカップに沈む。
土壇場で絵に描いたような逆転のイーグル。開幕戦で優勝を飾った樋口は、これで海外3勝を含め通算55勝目。試合後、「今年は60勝を目指します」と言い切ったが、思うように勝ち星が伸びず、2年後のこの大会の次戦、第1回紀文レディースで通算60勝目を飾った。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月14日増刊号「ニッポンゴルフ初物語より