2022年のプロテストに合格した小暮千広をはじめジュニアからアマチュアゴルファーまでパッティング指導をしてきたパッティングコーチの橋本真和。埼玉県越谷市にある「越谷ゴルフリンクスプライベートスタジオ」で様々な計測器を使ってパッティングを研究する橋本コーチにパッティング上達のカギとなる自宅でできるスマホアプリを使ったドリルを教わった。
ストロークのテンポはパットの距離感を司る大事な要素。よくリズムとゴッチャにされるが、ざっくり言えば、早かったり遅かったりするのはリズムではなくテンポ。同じ「1、2、3!」で振る人でも、唱える早さは人それぞれ。この場合の「1、2、3!」がリズムで、唱える早さがテンポというわけだ。
「パットのテンポについてはメトロノームを使って自分に合った早さを探すのがシンプルで確実です」と橋本真和コーチ(以下同)。ということで、距離感を養う練習の最後で使うのはメトロノーム。今すぐスマホアプリの電子メトロノームをダウンロードしよう。
90bpmと左右25センチの振り幅がベース
「パットの場合、始動から0.65秒でバックスイングが終わり、ダウンスイングからフィニッシュまで0.5秒で行くのが理想的なストロークスピードですが、このテンポで振るとほぼ90bpm(毎分90ビート=1分間の拍数)になります。なので、まずはメトロノームのテンポを90bpmにセットし、それに合わせて左右対称の振り幅でストロークしてください」
ちなみに、このテンポで左右25センチの振り幅をとって打った場合、速さ10フィートのグリーンで2.7メートル転がるそうで、これが最適なテンポを探す目安になるという。左右とも25センチのところにコインを置き、その振り幅で打ったときの距離を見るとわかりやすい。
「90bpm と25センチの組み合わせで約3メートル転がればヘッドは適正に加速しています。パターマットが短ければ左右21センチの振り幅で2.1メートル転がるのでそれを目安にしてください。ショートしたり、転がりすぎるようならテンポを上げ下げしてみましょう。前後10bpmの範囲で試せば自分に合ったテンポが見つかります」
自分に合ったテンポのメトロノーム音を聞きながらストロークすると、サウンドが耳に定着し、実戦でもテンポを再現できるようになる。テンポはスイング全般にも通じる要素なので、アプローチやショットの良化も期待できるだろう。