●櫻井心那と佐藤心結と神谷そら
まず細部までチェックしている日本女子ツアーから。一番に推すのは櫻井心那(19)。
昨年のステップ・アップ・ツアーで5勝しています。これで今年のレギュラーツアー前半戦に出場できる資格を得ました。昨年も5戦出場していて2位タイが1回。爆発力はあると思います。課題があるとすれば4日間の長丁場での安定感だけではないでしょうか。
下から上がってきて暴れそうなのが桑木志帆(20)。
小柄な選手が多い女子ツアーで彼女は164センチと、原英莉花、笹生優花らに次ぐ体格をしていてスウィングアークも大きい。昨年レギュラーツアーにフル出場して、舞台となるコースの様子、好きなコースなどもわかったと思います。今年は早いうちに初勝利がくるのでないかと予感しています。
次は佐藤心結(19)。
一昨年、まだアマチュアのとき、渋野日向子にプレーオフで敗れはしましたが、大器ぶりを発揮しました。とにかくゴルフが上手いと感じます。初勝利どころか大化けする可能性もある気がしますね。
あとは神谷そら(19)。
昨年プロテストをトップ合格。167センチと大柄でドライバーの飛距離も260ヤード。次代を担う一人だと思いますね。
男子ツアーで一人挙げると石坂友宏(23)ですね。
一昨年、レギュラーツアー参戦し、昨年もシード権を守りました。実力がついてきていると思います。173センチと大きくはありませんが、スウィングのバランスがいいですね。そう、ローリー・マキロイみたいなバランスの良さを感じます。
あと、注目は米女子ツアーでの勝みなみ。必ず1勝はすると思いますよ。(タケ小山、テレビ解説者・プロゴルファー)
●櫻井心那は早々に初勝利がくる予感
2021年のプロテスト合格組は驚くほどレベルが高くて、川﨑春花や尾関彩美悠らがレギュラーですでに勝利。となると、次はステップ5勝と新記録をマークした櫻井の番では。ステップが主戦場で2500万円以上稼いでいる。すごい!(40代男性、東京都)
●岩井明愛は実力十分
ステップでは勝っているけど、レギュラーはまだ。双子の妹の千怜が2勝しているので心に期するものはあるはず。昨季もトップ10には5回入っているのだから、実力十分。(50代男性、埼玉県)
●期待と願望が入り交じっていますが菅沼菜々
昨年のトップ5入り率はすごかった。なんとも愛嬌のある選手で応援せずにはいられない。でも、見るとドキドキしてしまうので、優勝争いをしているときはテレビを消してしまうことすらあります。(50代男性、神奈川県)
●今年の米ツアーで初優勝しそうな有望選手を4人挙げましょう
まずはテーラー・モンゴメリー(28)。
ネバダ大出身で現在、世界ランク57位。彼の特長はパットがめちゃくちゃ上手いこと。マネジメントしている父親がゴルフの手ほどきをしたといいますが、この父親がパットが最悪だったそうで、それを反面教師にしたと笑っていました。でも子どもの頃から熱心にパッティングの練習をしていたのは事実。
次はデービス・トンプソン、23歳。
ルーキーながら、今年、アメリカン・エキスプレスでジョン・ラームに次いで2位の成長株です。現在世界ランク66位。父親がデービス・ラブⅢの大ファンでラブの名を息子につけたそうですが、190センチと背が高く、スウィングもまたラブにそっくり。
あとサヒス・ティーガラ、25歳。
インド系で昨年優勝争いを数回、今年も2回していて、現在、世界ランク30位。
最後は、母親が和歌山県出身の日本人であるカート・キタヤマ、30歳。
昨季2回、今季もすでに1回2位に入っており、勝利も近いと感じさせます。有力選手がLIVゴルフに移籍したこともあり、そういった意味で未勝利の選手にとってはチャンスといえます。
あと、米女子ツアーでは、今年参戦の勝みなみ。
Qシリーズでは5位で今年レギュラーツアーフル出場の資格を得ました。米国のゴルフ誌でもクローズアップされていました。彼女の総合力は日本ツアーで実証済み。阪神ファンで知られ、ピンチのときは六甲おろしを口ずさんで感情をコントロールして、早々と初勝利がくるのでは……。(佐渡充高、テレビ解説者)
●久常涼(20)がまだ日本ツアー未勝利というのは意外
昨年から今年にかけてDPワールドツアーで上位にきているので、海外での勝利のほうが早くくるかも。話題の岡山勢ですし。楽しみな選手です。( 50 代男性、東京都)
●吉田泰基、石坂友宏、久常凉の3人
レギュラーツアーはカバーしていないのでよくわからないのですが、私は世界ジュニアでの派遣選手を決める団体で広報取材をしていましたので、その代表選手でプロ入りしたなかから未勝利の選手を挙げると……。吉田泰基(24)、石坂友宏、久常凉の3人です。
あと、中島啓太(22)、蟬川泰果(22)はプロ入りしてからすぐに勝ってほしかった。少なくとも今季中には勝利してほしいですね。これは希望です。松山英樹、金谷拓実はプロ入り直後に勝ってキャリアをハイにしましたから。彼らにもこれを望みたいですね。
そしてシニアツアーに目を向けると……。毎回取材していて思うのが、57歳のプラヤド・マークセンに勝たなければ初勝利はないということ。
レギュラーツアーとかけ持ちしている宮本勝昌(50)でも、昨季はマークセンに競り負けて勝てませんでした。
横尾要(50)は今年からフル参戦するので期待できると思います。
あと片山晋呉(50)が資格を得ましたが、やはりレギュラーツアーとのかけ持ちになるのでしょうね。もし何試合か出場すれば、むろん優勝候補です。(赤坂厚、PGA公式ライター・国際ジュニアゴルフ育成協会広報ライター)
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月14 日増刊号「山を動かす~今季、ツアー初優勝しそうなプロは?」より