昨年の国内ツアー賞金王の資格により今季欧州でプレーしている比嘉は、大会初日「75」を叩き出遅れたものの、2日目ノーボギーの6アンダーで回り上位に浮上。7位タイから出た最終日は1番、3番でバーディ、4番でイーグルを奪い4ホールで4つスコアを伸ばすスタートダッシュに成功。
後半2ボギーがあったもののバックナインをパープレーでまとめ、本格参戦3試合目にして欧州ツアーでの自己ベストを更新した。
渡航前に「どんなコースにも対応できる力をつけたい」と語っていたが、着々と目標に近づいているようだ。
また先月のラスアルハイマ選手権で初日6連続バーディを奪ってトップ発進を切り話題になった久常涼も健闘。比嘉同様初日は出遅れたが尻上がりに調子を上げ、スペインのベテラン、P・ララサバルと並びこちらも自己ベストの10位タイに入った。
さらに19年から欧州ツアーを主戦場に戦う自称“旅人"川村昌弘も3試合連続予選落ちの泥沼を抜け出し18位タイでフィニッシュ、復調の兆しを見せた。
優勝はドイツ勢同士の接戦を制したM・シーム。14年のBMWマスターズ以来8年116日ぶりにツアー通算5勝目を挙げ歓喜。以前はB・ランガーの後継者としてドイツゴルフ界をけん引した第一人者だが、ここ数年不調に陥りツアーカードを失った。
そのため出場権獲得を目指し昨年11月、久常らとQスクール(予選会)に再挑戦した42歳は勝利を決めると「すごい!」と叫んだあと、「2年前はもう競技に出られないかもしれないと覚悟していた。でも再び優勝できた。この勝利には大きな意味がある」と興奮を隠せなかった。
長髪をお団子にしてバイザーをかぶりプレーする個性派の復活に、ファンは大喝采。ツアーカードを失いどん底を経験したベテランの復活は中年に勇気を与えた!?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月21日号「バック9」より