「現在、トーナメントを開催している(アメリカを除いた)多くの国は、国家的な育成プログラムを持っており、これはアメリカにとって大きな損失。これまでゴルフはアメリカのメジャースポーツのなかで、唯一ジュニアの育成プログラムを持っていないスポーツだったが、それは今日終わった」
とマイク・ワンCEOは同協会のウェブサイト上で語っている。
ひとまず今年は50名の才能あるジュニアゴルファーに資金援助をしながら指導していくというが、27年にはそれを1000名まで増やす計画だという。
かつてLPGAのコミッショナーであった同氏にとっては、10年以上前から国家的な育成プログラムを持ってきた韓国やスウェーデンの選手たちの活躍を見て、その必要性を肌で感じてきたのだろう。
それに加えゴルフがオリンピックの競技になったことにより、多くの国が育成プログラムをスタートさせている危機感もあったのかもしれない。ただ、今回のプログラムは来年発足予定のジュニアナショナルチームをサポートしていくにとどまらず、より広く才能を発掘しようという意気込みも感じられる。
才能があっても民間のゴルフアカデミーで指導を受けたり、地方で開催される競技会に参加できない子どもは少なからずいるはず。そんな才能が開花するというのであれば、10年後、20年後のトーナメントは、さらなる高水準の戦いが繰り広げられることになるかもしれない。
USGAでは先頃、バハマ出身の黒人初の会長が就任したが、同協会はR&Aと並び北米を中心に世界のゴルフを統括する団体でもある。できればアメリカ国内だけでなく、視野を世界中に広げてもよかった?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月21日号「バック9」より