サスペンデッドとなった大会初日、世界ランク225位のチャド・レイミーが難コースでノーボギーの8アンダー64をマークしトーナメントをリードするなか、松山英樹は出入りの激しいゴルフで2オーバー74、暫定94位タイと出遅れた。その松山以上に苦戦を強いられたのが世界ランク3位のローリー・マキロイだ。
バランスを崩したことがないスウィングが乱れドライビングディスタンスこそ全体の3位(323.3ヤード)につけたが、フェアウェイキープは14ホール中6ホール。ここ1年の自己ワーストスコア76を叩き出場144名中下から数えた方が早い順位に甘んじた。
じつはマキロイは最近、昨年のツアー選手権で優勝し今年のDPワールドツアー、ドバイ・デザート・クラシックを制したテーラーメイドの「ステルス プラス」ドライバーから最新の「ステルス 2 プラス」に切り替えている。
「昨年のドライバーを使えたらいいのに、と思っています」と不本意な変更であることを打ち明けたのはドライバーを長く使用するとフェース面が変化し、不適合と見なされる危険性があったための変更だったから。
「ドライバーのヘッドはとても繊細でまったく同じものを手に入れるのは困難」と本人。飛距離は出ても前のドライバーのように思うような弾道をコントロールできないことにフラストレーションを溜めているようだ。
いっぽう目下世界ランク1位のジョン・ラームはグリーン上で苦しみパッティングの貢献度はマイナス2.143で出場144名中136位。最終ホールのパー5で2オンに成功しながら2.5メートルのバーディパットを外したときには「頬っぺたを平手打ちされたみたいだった」と。この言葉が1オーバー73の不本意なラウンドを要約している。
ビッグ3で唯一好スタートを切ったのはランク2位のスコッティ・シェフラー。前半4つスコアを伸ばし後半はパープレーに終わったものの4アンダー68、暫定6位タイでホールアウトした。ライバルが出遅れているだけに今大会の成績次第でナンバー1返り咲きの可能性は十分だ。ただしゴルフは最後まで何が起こるかわからない。