つかまりと安定性を高める「クラッチウエイト」を搭載。より低く、深い重心設計になった『マジェスティ ロイヤル ドライバー』を紹介する。
試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトはメーカー純正『マジェスティLV550(フレックスS)』仕様。掲載する数値はすべて実測値になる。
クラブ重量は297.0gと標準的だが、クラブ長さが45.38インチとやや長く、スウィングウェイトもD2.3とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが290万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だと、ドライバーのヘッドスピードが44 ~ 45 m/sくらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計と言えるだろう。
ヘッドは最近のドライバーのなかでは横幅が狭く、全体がシャローで、アドレスではやや小ぶりなイメージ。アドレスすると強いフックフェースと非常にアップライトなライ角、そして表示よりも大きなリアルロフト角なので、球をつかまえたいイメージが伝わってくる。また、青色ツートンのヘッドカラーと相まって、ヘッド全体から「懐かしい日本モデルのドライバー」という印象を受ける。
実際に試打したところ、繰り返しになるが、440㏄という”やや小ぶりのヘッド”、フェースアングルが2.0度フックという”強いフックフェース”、ライ角が61.5度という”超アップライト"、表示ロフト(10.5度)よりも大きな12.0度のリアルロフト角で、やはり球がつかまる要素しかない。
試打シャフトは軟らかめの設定だが、適度なシナリ感があり、ヘッドスピードが37~ 40m/s くらいのゴルファーがターゲットになるだろう。ソール面後方にウェイトが付いているが重心深度は39.0㎜と標準的で、左右方向のヘッド慣性モーメントも4545g・㎠とやや小さめなので、決して大きなヘッド慣性モーメントを狙った設計ではない。
逆に、ネック軸周りの慣性モーメントが7558g・㎠なので、操作性はまずまずのヘッドになっている。重心距離は41.8㎜ と長く、ヘッドの重心位置はヒール寄りではない。そのため、一般的なドローバイアスヘッドというわけではないが、フェースアングルやライ角などから、つかまり感は高い。
シニアゴルファーにも打ってもらったが、総じて球はつかまり、ヘッドのインパクト音は高めで軽い感じがした。試打したなかでもキャリーで170~180Yくらいのゴルファーがもっとも効率の良い、綺麗な弾道で飛んでいった。バックスピンは比較的少なめなので、普段ややスピンが多めのゴルファーにとって、より効果的だろう。
これが「マジェスティ ロイヤル」ドライバーの計測データだ!
フックフェースなフェースアングルと、61.5度という"超"アップライトなライ角、そして12.0度という大きなリアルロフト角で球がつかまる印象しかない。
フェース高さ55.8ミリと標準的だがシャローバック形状で、スイートスポット高さは33.7ミリとやや低くなっている。
また、重心距離は41.9ミリと長い。スイートスポット(SS)位置はフェースほぼ中央にあり、ウェイトの配置もドローバイアスとは言えないが、ライ角やフェースアングルなどによりつかまるイメージがある。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月21日号「松尾好員のヘッドデータは嘘つかない!」より