PGAツアーの本拠地TPCソーグラス(フロリダ州)でおこなわれた第5のメジャー、プレーヤーズ選手権で松山英樹が尻上がりに調子を上げ最終日は一時トップのスコッティ・シェフラーに1打差まで迫る猛チャージ。終盤崩れたものの賞金総額2000万ドル(約27億円)のビッグイベントでシーズンベストを更新した。
画像: 初日94位のスコアから追い上げ、5位でのフィニッシュ。マスターズも楽しみだ(写真は2023年プレーヤーズ選手権 撮影/Getty Images)

初日94位のスコアから追い上げ、5位でのフィニッシュ。マスターズも楽しみだ(写真は2023年プレーヤーズ選手権 撮影/Getty Images)

過去プレーヤーズ選手権での松山の最高位は7位タイ。日本人最高は松山ではなく尾崎直道の6位タイだったがその記録を上回る単独5位フィニッシュ。2試合連続予選落ちのあとのこの試合、初日は2オーバー74で大きく出遅れたがさすが松山、最後に魅せてくれた。

最終日は序盤からバーディラッシュで13番までで7アンダー。20年の初日に今年トム・ホギーに塗り替えられた当時のコースレコード63をマークしてトップに立ったがコロナの影響で大会は中止。幻の63となったラウンドを彷彿とさせる好プレーに大逆転優勝さえ頭をよぎった。

しかし14番でセカンドショットを右にミス。グリーン周りで行ったり来たりしダブルボギーを叩いたのがブレーキとなり最終18番もボギー。それでも不調だった今シーズンの鬱憤を晴らすようなトップ5入りは見事だった。

「いつかここで優勝することが目標」という松山にとって 最終日のプレーは今後に期待を抱かせるに十分なものだった。

それにしても今大会は珍しいエピソードが満載だった。初日にはマティアス・シュワブの打球が走行中のカート(オーストラリアの取材クルーが乗車していた)に入るアクシデント。ギャラリーがそれに気づきカートを止め、シュワブが自分のボールを確認してドロップ。なかなかないアクシデントである。

また2日目にはジョーダン・スピースが9番パー5で放ったティーショットが大きく右に曲がりあわや池。そこまで5オーバーだったため予選落ちは確実に思われた。ところが打球が現役海兵隊員のヒザに当たってフェアウェイに戻り、そのホールイーグルを奪って予選を突破するラッキーも。ラウンド後スピースは恩人に「サンキュー&ソーリー」と認めたサイン入りフラッグをプレゼントした。

3日目にコースレコード62をマークしたホギーは予選カットラインぎりぎりで決勝に進みながらベスト3に食い込んだ。「何も文句はないし満足している。でもこのコースのレストランは野菜ばかりでヘルシーすぎる。チーズバーガーが食べたい」といって周囲を笑わせた。

プレーヤーズ選手権が終わればマスターズまで1カ月。昨年は今回優勝したシェフラーにグリーンジャケットを着せる役目だった松山。今年は逆にシェフラーからグリーンジャケットを着せかけてもらうシーンが見たい。

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