17年から日本ツアーに参戦し、昨年のゴルフ5レディスでツアー初優勝を果たし、今週のTポイントが国内初戦となったセキ・ユウティン。今季の目標やオフの取り組み、今後の課題などを語った。
画像: 今季は「メルセデスランク10位以内とメジャー初優勝を目指す」というセキ・ユウティン

今季は「メルセデスランク10位以内とメジャー初優勝を目指す」というセキ・ユウティン

GD レギュラーツアーで初優勝、どうでしたか?

セキ 時間はかかってしまったので苦しかったですね。でも初優勝という大きなプレッシャーから解放されたことは大きかったです。それがきっかけで後半戦は安定した成績を収められました。

GD やはりプレッシャーがプレーに影響を与えていたのですね。

セキ それもありますが、実は私、パターイップスだったんです。

19年のファイナルQTのとき、あまりに緊張が強すぎてイップスが出たんです。それが20-21年シーズンまで続いていました。タッチも方向も合わず、ストロークのイメージすらできないくらい腕が動かなかったです。でも昨年のサントリーレディスから徐々によくなり始めたんです。

初優勝したゴルフ5のときには、フィーリングもだいぶ戻ってきていました。

イップスを乗り越えたことでプレッシャーにも強くなれたのかなって思います。イップスって自分で解決するしかありません。それがリランキング、シード権、初優勝などのプレッシャーとの向き合い方につながった気がしています。緊張をどう力に変えるか? 

心理学やメンタルの本などでたくさん勉強しました。

GD 初優勝後、日本女子プロ7位タイ、リコーカップ8位タイと成績は上向きでした。

セキ 今季の目標をメルセデスランク10位以内に設定したのは、後半戦の成績があったからです。十分に狙える目標だと考えています。

GD ツアー2勝目を目標にはしないのですか?

セキ 2勝目はあまり考えていません。ゴルフはいいパフォーマンスをしてもそれを上回る選手がいれば、優勝はできません。逆に調子が悪くても周りがもっと悪ければ、勝つことだってあります。だからこそ、自分ができること、すべきことに集中するだけです。ただメジャー優勝は狙いたいです。メジャーは勝ちたいですからね。

画像: オフはボールをたくさん打つが、シーズン中は球数も制限するというセキ。練習もトレーニングも質を重視している

オフはボールをたくさん打つが、シーズン中は球数も制限するというセキ。練習もトレーニングも質を重視している

GD スタッツを見るとドライビングディスタンスは14位。飛距離がプラスに働いたのでしょうか?

セキ ドライバーの飛距離が伸びたことで、パー5で2オンできる回数が増えたんです。イーグルも6回ありましたし、2パットでバーディですからスコアメイクはずっとラクになりました。後半戦はパットのフィーリングもよくなっていたので、バーディ数が増やせたのだと思っています。飛距離アップは、ずっと課題にしてきたフィジカルトレーニングとスウィング改造の効果でもあります。

GD フィジカルトレーニングはいつから取り組んでいますか?

セキ 1年半くらい前から大きなテーマにしていたのが、フィジカルトレーニングとスウィング改造なんです。その成果が飛距離アップにつながっています。

GD 筋トレですか?

セキ ウェイトトレーニングなどの筋力アップもありますし、スピード系のトレーニングや柔軟性アップにも取り組んでいます。私、もともと体が強くないんです。ケガが多いとかではなく、体力が続かないんです。すぐに呼吸が乱れてしまうんです。

だから思うようにトレーニングもできなかったのですが、短時間で集中して行うようにして、フィジカル強化に努めています。長いツアーを戦ううえで体力が最も重要です。できるだけ体力を温存する。そうすればプレーに集中できますし、4日間しっかり戦い抜けるんです。

GD 最終日のスコア(4日間競技70.69/5位)がいいのも、それが理由ですか?

セキ 以前はミスが多かったり、調子が悪いときほど、ラウンド後たくさん練習していました。そうすると体が疲れてしまうんです。だからこそ、コンディションの維持は重要です。体力さえ残っていれば、十分戦えますから。

GD やはり体が資本ですね。

セキ シーズンオフは練習もトレーニングもたくさんしますが、シーズンに入れば、しっかりスケジュール管理しています。

「効果は高く、時間は短く」を基本に考えていて、最優先は体のコンディションをいかにいい状態に保つかです。常に自分の体調を意識しながら練習やトレーニングをしています。その意味では睡眠も大事ですね。私はよく寝るほど元気になります。

昔からそうですが、睡眠時間は必ず確保するように心がけています。

GD スウィング改造は、どこかポイントがありますか?

セキ これも体がベースにあります。いかに体の負担を少なくするか、体にやさしいスウィングはどういうものか? そこから考えています。ヒールアップしたり、体重移動を大きくしたり、地面反力を利用することで、効率のいいスウィングを目指しています。

GD トレーニングやスウィング改造以外で、今オフに取り組んだ課題はありますか?

セキ ゴルフってやるべきことが多いんです。

フィジカル、メンタル、技術、コースマネジメントだけでなく、クラブも14 本あります。パット、アプローチ、バンカー、ドライバーなど、すべてを同時に強化することは困難です。だからこそ、1ステップずつレベルを上げていくようにしています。

今後の課題としては、アプローチだと思っています。リカバリー率のスタッツ(59%/64位)が悪いので、そこは修正したいところです。

今季も昨季同様、マイペースで頑張ります!

PHOTO/ Tadashi Anezaki THANKS /フェニックスゴルフアカデミー

※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月21日号「ツアー開幕インタビュー セキ・ユウティン」より

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