「エースドライバーはこれ」「○○の新モデルが出たら絶対に試す」などと、クラブにこだわるアマチュアゴルファーはたくさん。でも、ボールは? 銘柄を決めている人ももちろんいるが、ラウンドのたびに替えている人も。ゴルフボール選びを巡るあれこれを識者、アマチュアゴルファーに聞いてみた。
画像: あなたがふだん使うボールは"スピン系”? ”ディスタンス系”? そもそも、自分の"エースボール"、決まってますか?

あなたがふだん使うボールは"スピン系”? ”ディスタンス系”? そもそも、自分の"エースボール"、決まってますか?

●使っているのはタイトリストのプロV1、プロV1x

ツアーに出ているプロたちは、自分の契約先のボールを使わなければならないので、他のメーカーのボールは打ってないし、よくわからないのでは。僕が使っているのはタイトリストのプロV1、プロV1xです。

この2つにはさほど差異がない気がします。性能が一定していて、飛び過ぎたり、止まり過ぎたりしない〝普通〟のボールだから使っています。アマチュアのボール選びでアドバイスするなら、打感を大事に、そして楽しんでほしいということです。

フェースで当たった時の感触が重いのはディスタンス系で、ソリッドが2~5重にもなっている硬いボール。これは打音が高い。対してスピン系は軽い感触で、やや鈍い打音がします。

ディスタンス系のボールは確かに飛びますが、アイアンでスピンがかかりにくく、当然、グリーンでは止まりにくくなります。ボール選びはこの2つの現象とどう折り合いをつけるかです。上級者ではなくても、打感、打音はわかります。ボール選びもひとつの楽しみじゃないでしょうか。(タケ小山、テレビ解説者・プロゴルファー)

●「ボールはドライバーと同じメーカーにしたほうがいい」

ゴルフを最初に習った上級者から「ボールはドライバーと同じメーカーにしたほうがいい。クラブとボールにも相性がある」と言われ、テーラーメイドで合わせています。試しにほかのブランドのボールを打ったら飛距離が10ヤードくらい落ちる感じがしました。(30代女性、東京都)

●軟らかいスピン系ボールが基準

プロ入りしてからBSで倉本昌弘さんたちとボール開発の手伝いをしていたので、当然使っていたのはブリヂストンでした。

アメリカから帰ってきてからはタイトリストプロV1ですね。僕のゴルフの基本はショートゲームを中心に組み立てるものなので、どうしてもスピン系がボール選びの基準になります。端的にいうと、アゲンストでボールが飛び過ぎないこと。現在のボールは進化して、風にも負けない性能を発揮します。そうなると飛び過ぎてピンを飛び越していく事態にもなりかねません。

グリーンオーバーは僕のゲームの組み立てのなかには入っておらず、グリーン手前からなら何とかできるというゴルフですから。フォローの風が難しいのはそこなんですよね。そこら辺を何とかしてナンボが僕のゴルフ。

そりゃ、僕も歳ですから飛距離への未練はありますが、飛ぶボールというのは止められないボール、でもありますから。どうしても軟らかいスピン系ボールが僕の場合、基準となります。(水巻善典、プロゴルファー)

●人とかぶらない色にこだわっている

ボルビックで探すことが多いです。グリーンという冗談のような色もありましたが、意外なほど見えてびっくり。(40代女性、神奈川県)

●風に左右されにくいブリヂストンのツアーB X

ボール選びで、これまで一番迷った時期は糸巻きボールから2~3ピースへ移行したとき。最初は、プロをはじめ上級者は糸巻きオンリーでしたが、2ピースも性能が良くなり糸巻きは姿を消しました。現在、僕が使っているのはブリヂストンのツアーB X。4年前からです。高く上がってくれるし、風に左右されにくく満足しています。

しかし、仲間たちと回るとき、彼らが使っているボールを試し打ちすることがありますが、どのボールも風対策は万全と感じます。そういう意味においては、どのボールも差異はそうないと、僕は感じていますね。ただ、飛距離ではタイトリストとかキャロウェイの外国メーカーのボールに利があると、僕は思っています。

ボールで差が出ると思うのはパッティング。これは仲間たちも同意見ですが、タイトリストのボールが転がりはいいと。あくまでフィーリングですが、そう思います。プロアマで回るときのアマチュアのキャディバッグには、いろいろなメーカーのボールが入っているのが普通です。よほど凝る人以外はどのメーカーのこれと決めているわけではないと思いますね。

「ボールの価格は高すぎる」と言う人には僕がクラブ契約しているホンマゴルフのボールを薦めます。低価格で性能バッチリですから。(髙橋勝成、プロゴルファー)

●タイガーや松山英樹が使っているボール

過去、ボール開発の一部に携わった者から見ると、各メーカーのボールの性能に優劣はほとんどないように思います。各メーカー、優秀な人材が競って研究開発していますからあとはイメージですね。

今、ブリヂストンが売れているのはタイガー、スリクソンは松山英樹のイメージで売れています。このイメージはゴルフには大事で、アべレージゴルファーにも疑似タイガー、疑似松山の気分にさせてくれ、気分はいいですよね。(田中徳市、元ブリヂストンスポーツ、法政大学ゴルフ部監督)

●谷越えホールでは、こっそり傷だらけの古いボールに替えています

しかし、そういうボールに限ってやすやすと谷を越える。多分リラックスできているからだと思う。(50代男性、東京都)

●新品ボールは最近ほとんど買っていません

3~4ホールまでは右サイドにOBがあるなら、そこへちょっと行くと3、4個はロストボールが転がっています。早いうちはスライスが多いですからね。ただ水の中に入っているボールは性能が落ちているし、第一危険なので絶対に拾いません。(70代男性、埼玉県)
●3年ぶりにキャディバッグから出したカラーボールがベトベト
バンカーの砂が拭いても落ちないほどベトベト。テンプラの衣みたいになったなあと思っていたら、実際、盛大なテンプラを披露する羽目になりました。(50代女性、埼玉県)

●ホンマゴルフのD1が目につきます

最近、アマチュアゴルファーのボールを見ていると、ホンマゴルフのD1が目につきますね。月例で回った4人のうち、2~3人が使っていることもあるくらい。ラウンドを数多くこなす人たちですが、低価格で、他の高価なボールと比較しても性能にさほど遜色ない、という理由のようです。つまりコスパがいい、と。

私はタイトリストのプロV1を使っていますが、ホンマを借りて打ってみても距離的にそう変わりませんでしたね。

それと、私は白内障の手術をしたのですが、白いボールが本当に見にくくなりました。この間、イエローカラーのスリクソンが安く売っていたので、まとめ買いしました。黄色が一番見やすく、シニア世代にはお薦めです。赤も目立ちそうですが、飛んでいるときは影になって黒にしか見えなくなります。

というわけで、プロV1、スリクソン、ホンマが私の選択肢。あと、ディスタンス系とスピン系ですが、前者が飛ぶといってもキャリーはスピン系と変わらずランが多くなる。ならば、グリーンで止まるスピン系がいいかなと。

パッティングの際も硬いディスタンス系は球離れが早く、ショートしやすいと感じます。感触が軟らかく、ゆっくりと出ていくスピン系ボールのほうが球足が伸びる感じがします。(石井米二郎、トップアマチュア)

※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月28日号「山を動かす~”自分のボール”決めてますか?」より

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