私の武器は、調子が良くても悪くても、落ち着いて“笑顔”でプレーすること
ダイキンオーキッドでツアーデビューを果たしたルーキーの鶴瀬華月。宮里藍の母校、東北高校の出身だが、ゴルフを始めたきっかけは何だったのか?
「ゴルフを始めたのは小1です。家族でサロンパスカップを見に行ったんです。そのときにゴルフをやってみたい、やるなら競技をやろうって思ったんです。
父も祖父もゴルフ好きでしたから遊びでゴルフはしていました。父もやるなら本気でやってみろと言ってくれて、最初からプロを目指そうと思って始めました」
父親の転勤で小6で仙台に引っ越した鶴瀬は、特待生として東北高校に進学。憧れの選手はもちろん宮里藍だ。
「中3のときのゴルフの成績がよくて、なんとか特待生で入れました。高校はゴルフ部のある学校に行きたいと思っていて、引っ越した先が東北高校の近くだったんです。だからずっと入りたいと思っていました。
高2のとき、宮里藍インビテーショナルという大会で優勝したんです。それで後日、藍さんとラウンドさせてもらいました。ゴルフは上手いし、とてもやさしくて、藍さんみたいなプロになりたいって思いましたね」
小1でプロを目指した鶴瀬は、プロテストを3回目で突破。1、2回目はコロナ禍だったため、21年の春と秋に2回開催されたが、当時の心境を聞くと、
「20年の1回目は延期で21年の春でした。最終まで行きましたが、5打足りませんでした。だから秋の2回目はちゃんと準備して挑んだんですけど、6打足らず……。もう悔しすぎて1カ月間、クラブを握らなかったです。ずっとボーっとしていました。
私、メンタルが弱いというか、焦るタイプなんです。自分で自分を追い込んでしまうみたいな。だから昨年のプロテストで意識を変えたんです。1打1打、目の前のショットに集中すること。絶対に焦ってはダメって。いつもはボギーだ、ヤバいってなっていましたけど、調子がよくても悪くても落ち着いてプレーしようと考えたんです。
3回目の挑戦でしたからダメなら終わりかなって思いもありましたが、無事通過できました。周りからは『笑顔は大事だよ』とも言われていて、それも実践することでメンタルも安定してきた気がしています。だから、笑顔で落ち着いてプレーすることを武器にしたいですね」
夢はマイホームを建てること!
身長168センチという恵まれた体格を持つ鶴瀬は、今オフどんな取り組みをしたのか?
「実は身長のわりに飛ばないので飛距離アップは課題のひとつです。ただ個人的には曲げたくないタイプなので飛ばなくてもいいのですが、ツアーを戦っていけば、飛距離は必要になると思っています。あとはショートゲームの強化です。
もともとショットが好きというのもありますが、アプローチがダメなんです。アイアンは高弾道で止められるので得意です。とくに8番アイアンが好きですね。
ツアーは長期間になるので体力強化も意識しました。ガチのキックボクシングジムに通って筋力アップに励みました。目標はシード権獲得とレギュラーで1勝。賞金を獲得してマイホームを建てるのが夢です!」
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月21日号「プロテスト2位合格の注目ルーキー・鶴瀬華月」より