ローリー・マキロイのスウィングを参考にして、股関節の上下運動により体の回転スピードを上げることを取り入れるべきだという植村コーチ。
このとき、「お尻の動きが大事だ」と前編で説明したが、同時に「腰の高さも意識してほしい」
という。
「アドレスでは左右の腰の高さは同じですが、テークバックからトップ、そしてインパクト直前までは、右腰は高い位置をキープします」
では、どうやって腰の高さをキープするのだろうか。
それは切り返しにポイントがあるという。
「トップからの切り返しで、左股関節の上に一瞬グッと踏み込む動きが必要です。この動きは、タイミングと意識の問題なので50歳ゴルファーでも必ずできます」
50歳を過ぎても、マキロイのような躍動感があるスウィングを身に付けるために、股関節の上下動以外にも意識してほしい部分があると植村コーチは言う。
それは"みぞおち"だ。
「体の回転スピードを上げるには、腰の回転ではなく股関節の引き上げの動きで行いますが、実は上半身の動きは"みぞおち"を回転させるイメージで振ると、さらにヘッドスピードが増してきます。マキロイのスウィングが柔らかく躍動感があるように見えるのは、この"みぞおち"を回転させているからなんです。
というのも"みぞおち"は簡単にいえば上半身の中心を支え司る部分だからです。しかし注意しないといけないのは、あくまでも主役は下半身です。下半身の動きに引っぱられ、やや遅れる感じで"みぞおち"を素早く回転してみてください。脱力感もつかめて、力まずしなやかに振り切れますよ」
と解説する植村コーチ。
まず、腰の引き上げ運動を速く行うためにも、トップからダウンスウィングへ移行するとき左股関節に体重を乗せることが第一条件。
そして左腰を引き上げる動きを速く行い、そこからみぞおちを速く回転させることができれば、マキロイのようにトンデモナイほどヘッドスピードが上がってくるという。
「50歳ゴルファーは、まずはマキロイの股関節の上下運動を取り入れることから始めれば、体を痛めることなく飛距離アップができるはずですよ」(植村)
PHOTO/Blue Sky Photos、Tsukasa Kobayashi THANKS/プレミアムゴルフスタジオ代官山
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月14・21日号「50歳こそ! マキロイ打法」より