世界のゴルフ規則を統括する両団体は、ドライバーの飛距離の現状を調査する「ディスタンス・インサイト・レポート」を行ってきた。
正式スタートは2018年だが、発表資料には実質的に少なくとも過去20年間にわたって継続的に調査してきたと記してある。
調査の結果、飛距離はこの20 年間に平均して毎年1ヤードずつ伸びて来たと結論。
それによる弊害に対処するために立案されたのが今回のローカルルールひな型(MLR)だ。
具体的には公認球の規格のひとつ、「標準総合距離」の制限値(317ヤード+3ヤードの許容値)をテストする際の条件をより引き上げる。
つまり、より飛ぶ条件にして打ち出し、飛距離は同じ「標準総合距離」以内に抑えた“飛ばないボール"の使用を求めるMLRを提案。
「エリートプレーヤー」である男子プロやトップアマの競技会での採用を促すという。
両団体では「最も速いヘッドスピードを有するロングヒッターについて、飛距離を平均で14~15ヤード減じることが見込まれる」というこのMLRは、26年1月から採用可能となる予定で、両団体はそれぞれ、同年の全英オープンと全米オープンから選手に“飛ばないボール”の使用を求めるとコメントしている。
残る2つのメジャーのうち、マスターズは近年、飛距離の伸びに苦慮してきた。それだけに同調の可能性が高いとみられる。
公認球の規格は変わらないので、一般のレジャーゴルファーには直接関係ない規制だが、エリート競技を観戦するファンの立場からは“飛ばないボール”でのトーナメントはどう見えるのだろう。
また、新しく“飛ばないボール”を研究・開発するメーカーへの影響も、気になるところだ。
※週刊ゴルフダイジェスト4月11日号「バック9」より