英米のゴルフ場では普通に行われている“追い越しOK”文化が、遅まきながら日本でも始まり出した。

埼玉県にある北武蔵カントリークラブでは、2月より「お先にどうぞ」フラッグ制度がスタートしている。

その手順は、まず追い越しOK制度を利用したい旨をスタート室に申し込むと、スタッフが乗用カートの後ろに「追い越しOK」と書かれたフラッグを取りつける。ラウンド中、フラッグをつけた先行組が後ろへ声をかけ“パス”してもらうというスタイルだ。

その経緯を北武蔵カントリークラブの小山龍一支配人は次のように話す。「当コースはすり鉢型でアップダウンもあるレイアウトなので、前の組に付いていくのが厳しいという年配の方も多くなりました」

「また、プレーの途中に茶店などでゆっくり休憩したい方、初心者を連れてきたからその技量、体力に合わせてプレーしたいという方もいます。そういった方々と譲り合ってプレーしてもらえれば、と考えたのがきっかけです」

小山支配人の頭にあったのは、米国のゴルフ場にはカート道路に追い越しエリアがあり、そこには休憩用のベンチが置いてあったこと。

北武蔵カントリークラブの乗用カートは自走式のため、追い越し作業が簡単にできることもあり、さらにスタート室のナビシステムでは、乗用カートの位置情報や進行状況も把握できることもあって実現に踏み切った。確かに、全自動式の乗用カートでは追い越しは無理がある。

画像: 北武蔵カントリークラブの追い越しOKフラッグ

北武蔵カントリークラブの追い越しOKフラッグ

導入に際して館内に貼ったポスターやSNSで告知。現時点の利用者はまだ少ないが、評判は上々とのこと。

まだテスト営業で、進行時間の全体短縮の実績など、詳しい検証はこれからになるというが、休憩所やインターバルのポイントに立て看板を置き、専用の追い越しエリア整備も考慮中。

また、北武蔵カントリークラブでは既成の観念打破をモットーにしていて、5月から「1日54ホールプラン」も始まるという。

お先にどうぞシステム、高齢者ゴルファーを引き止める一助にもなりそうだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より

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