LIVゴルフに移籍したブルックス・ケプカが参戦2シーズン目にして今季第3戦オーランド大会で優勝した。かつてメジャーキラーといわれ立て続けに全米オープンと全米プロの連覇を達成しながらここ数年度重なるケガにより低迷していたケプカが再び輝きはじめた。「一番欲しいタイトルはマスターズ」という男の悲願達成なるか注目だ。
画像: ブルックス・ケプカがLIV移籍後初優勝。悲願のマスターズ制覇へ向け調子は上向きだ(写真は2023年 LIVゴルフ オーランド大会 撮影/Getty Images)

ブルックス・ケプカがLIV移籍後初優勝。悲願のマスターズ制覇へ向け調子は上向きだ(写真は2023年 LIVゴルフ オーランド大会 撮影/Getty Images)

54ホール、予選カットなし。ショットガンスタート(全ホールから選手がスタートする)、チーム戦etc……。これまでのゴルフトーナメントの概念を変えるようなLIVを「あれはゴルフではない」と声高に批判する人は多い。

高額の契約金と賞金。お金のために魂を売ったという人もいるが、そこにはケプカのように「復活の足がかりを掴むため」といった切実な思いを抱える選手もいる。

ケプカは17年に全米オープン初制覇を達成すると18年に大会連覇。同年に全米プロを制し19年には連覇に成功した。わずか3年でメジャー4勝、世界ランク1位に上り詰め「マキロイがメジャーに勝ったのはずっと昔(14年が最後)。まったく脅威は感じない」と豪語するなどツアー屈指の自信家として鳴らしてきた。

「17年から19年は名実ともにナンバー1だった。でも最近は苦労している。右手首が治ればヒザ。それが癒えると腰というように次々ケガに襲われあの頃のようなプレーができなくなってしまった」と彼はネットフリックスのドキュメンタリーシリーズ『フルスウィング』で本音を吐露した。

ジュピターアイランドの豪邸で元女優の愛妻と過ごす時間も気はそぞろ。「以前はそんなことはなかったけれど、どうしたらナンバー1のときのようなプレーができるのか? そればかりが頭の中に渦巻いている」と思い悩む様子が描かれていた。

いい時代があったからこそ、その残像を追い求めもがき苦しむ様子はゴルフというゲームの残酷さを物語る。場所をPGAツアーからLIVに変えたものの結果はついてこず思わず「許されればまたツアーでプレーしたい」と後悔をにじませたことも。

それは48人の限られたフィールドではなく、世界最高の選手が集う広い舞台で1番になりたいという彼本来の闘争本能からくる思いだった。

自宅の壁には巨大なトロフィーケースがありメジャー優勝の際の戦利品=トロフィーが飾られているが、まだ多くのスペースが埋まっていない。「真ん中にはグリーンジャケット(マスターズ)を飾る予定だ」というケプカは次週のメジャーで「一番欲しい」タイトルに挑む。

LIVの初優勝で弾みをつけた彼が過去10年のメジャーチャンピオンの資格で挑むマスターズでもうひと花咲かせることができるのか?

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