1994年4月に「ブリヂストン スペーシア」が発売された。番手により金属を変えた斬新なクラブだった。
画像: 「飛ばす金属と、狙う金属は違う」を謳ったコンポジットクラブ「ブリヂストン スペーシア」(写真は1994年当時の広告から)

「飛ばす金属と、狙う金属は違う」を謳ったコンポジットクラブ「ブリヂストン スペーシア」(写真は1994年当時の広告から)

ドライバーからウェッジまでフルラインナップ

早くからアイアンにコンポジット構造を取り入れていたブリヂストン。1986年にはチタンヘッドのキャビティ部に銅合金を圧入した「チタニアン」を発売。フェース側は比重の軽いチタン、バックフェース側は比重の重い銅合金を使うことで、深くて低い重心位置を実現。

92年にはベリリウムカッパーのボディにチタンフェースを装着した「タンベックTB-1」、チタンボディのソール側にベリリウムカッパーをコンポジットした「タンベックTB-2」を発売。単一素材では困難だった広いスイートエリアを可能にした。

その2年後に発表されたのが、番手ごとに特性2の違う金属を使用した「スペーシア」だった。

ドライバーとフェアウェイウッドのボディには、航空宇宙でも使われている比重の小さいA201という軽金属を使用。

ソールには、その約3倍の比重を持つ重たいシルジン青銅を配することで比重差が生まれ、かつてない低重心、深重心を実現しただけでなく、スイートエリアも18%アップ。

この2種の異種金属をボルトやネジを使わずに精度の高い鋳造技術で一体化したのは世界初だった。

アイアンは番手ごとに3種の金属を使い分けた。

比重の大きなステンレスのボディに、ロングアイアンでは軽いアルミ合金のフェースをインサート。大きな比重差がスイートエリアを広げ、方向性が安定。

ミドルアイアンにはチタン合金をインサート。シャープな打感とコントロール性を両立。

そしてショートアイアンには軟鉄の倍近くの硬度を持ちながら、軟らかい感触の銅合金をコンポジット。ソフトな打感で軟らかなボールコントロールを可能にした。

この2年後にはプロ仕様のコンポジットアイアン「J‘sチタンマッスル」が登場することになる。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月18日号「ニッポンゴルフ初物語」より

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