コース攻略のカギは高低差のあるグリーンへの距離感
今大会が開催される花屋敷GCよかわコースは、アップダウンのある丘陵コース。ティーショットは打ち下ろし、2打目は打ち上げといったホールも多く、高低差のあるショットで距離感を合わせることがコース攻略のカギとなりそうです。
打ち上げや打ち下ろしホールの距離感を合わせるには、ヤーデージブックに書かれている高低差を参考にしたり、練習ラウンドで高低差が表示されるレーザー距離計を使って独自の高低差を書き込んだりと選手によって対処法は様々。今大会で大城さつきプロのキャディを務める川口大二プロキャディに聞いてみました。
「大城プロが普段から使用しているレーザー距離計を使って、計測した数値をヤーデージブックに+5とかー7とか±の距離をメモしています。まずは高低差を考慮した距離をベースに、ピン位置、スタンスする周辺の傾斜や芝の状態、風、打つ番手を選手と話しながら実質的な距離を決めていきます」(川口大二キャディ)
選手やクラブメーカーは、球の高さを30ヤードくらいを目安に一定にし、番手間の距離の差によりその頂点が遠くになるようにセッティングしています。そうすることでランディングアングル(落下角度)をそろえることができます。PGAツアーではそのアングルは50度と言われていますが、女子ツアーでは45度くらいが目安になっています。
高さが十分に確保できるショートアイアンであれば、砲台グリーンに対して上から攻めることもできますが、選ぶ番手やライの状態によってランディングアングル(落下角度)が変わることで、グリーン奥に外すことも考慮しなければなりません。わずかに奥に外した場合は、林菜乃子プロが実践するSWの刃(リーディングエッジ)で打つアプローチが参考になります。
砲台グリーンへのアプローチのコツ
昨日までの練習ラウンドでは、上手くエッジに落としたとしても砲台になっているホールでは傾斜で戻ってきてしまうことも散見されました。そこで砲台グリーンへのアプローチのコツをアプローチ練習していた佐藤心結選手に後で電話で聞いてみました。
「左足上がりになるので、あまり左足に体重をかけ過ぎると斜面にリーディングエッジが刺さってしまいます。左足上がりの傾斜なりにヘッドを動かしたいので体重配分は、6対4くらいで右足に多く加重するイメージです」(佐藤心結プロ)
傾斜に合わせた体重配分にすることでダウンブローの度合いを減らし、斜面なりにストロークすることができると佐藤選手。アドレスを見るとハンドファースには構えていないこともポイントです。ハンドファーストが強いと斜面にリーディングエッジが刺さってミスになるので手元が左に出過ぎないように構えています。
「フェースを開かなくても左足上がりの傾斜に沿ってストロークすると、フェースを開かなくても球は上がります。フェースを開くとショートしやすくなり、もう一度戻ってきてしまう可能性もありますので、開くとしてもほんの少しにしています」と佐藤選手。
雨で遅くなるグリーンに転がりの良いパターをテスト
もう一つ、明日は朝から強い雨の予報が出ていますので、グリーンが遅くなることを考慮して転がりのいいパターのテストをしていたリ・ハナ選手に聞きました。
パターを見てみるとシャフトがカーボンとスチールのハイブリッドで、ヘッドはオデッセイですがシャフトはUSTマミヤのシャフトのようです。ツアー担当の鈴木優吾氏によると米国仕様のシャフトで日本未発売のモデル「オールインワン」というシャフトだといいます。
鈴木氏によると「スチールシャフトよりもボールの転がりが良くて、球足が伸びる感じがあります。明日は雨でグリーンが遅くなりそうなので使ってみようかなと思っています」とリ・ハナ選手のコメントを教えてくれました。
毎週変わるコースの特徴やコンディションに合わせて必要なショットやアプローチを練習し、ギアのアジャストも考えながらツアーを転戦していることが見て取れます。明日以降、その対策や準備がスコアメイクに役立つことでしょう。引き続き注目していきましょう。