コースの敷地内に、診療所を併設予定
先日、スコットランドにある36ホールの「ダレイターGC」が、新たな拡張計画を発表した。地域の自治体の認可も出る見込みだというが、拡張計画といってもホール数を増やすわけではない。実はこの計画、コース敷地内に650戸の住宅の建設に加え、診療所を併設するというものなのだ。
ゴルフコースに住宅が隣接するというのはアメリカではよくあり、近年は日本のコースでも見られるが、スコットランドでは珍しい。
同GCはスコットランド・グラスゴーから北東約20キロメートルの位置にあるニュータウン内にある。
クラブのキャプテンであるジム・ハート氏は、「この開発計画はダレイターGCの経営を継続させてゆく点で大きなメリットがあるだけでなく、私たちもその一部であるコミュニティにとってもメリットがある」とゴルフビジネス誌に語っているが、地域の住宅不足を解消するためにゴルフコースが協力するとともに、ゴルフコースにとってもメンバーを確保できるというメリットがあるというわけだ。
この地域コミュニティでは、もともと医師が不足していたうえ、650戸という大規模な住宅開発ということになれば、さらに診療所のニーズが高まるということで、併設されることになった模様。
住宅建設には自治体の規制があり、20%は購入しやすい廉価な住宅を造らなければならないが、同計画ではそれを上回る25%を廉価な住宅にするという。
新たな診療所だけでなく規制を上回る廉価住宅ということもあり、開発認可が下りることは間違いなさそうだ。
コースに医師が常駐していれば、高齢者や持病を抱えたゴルファーも安心してラウンドできるし、医師不足に悩む地方自治体にとっても”渡りに船”だ。
日本でも医療施設を持つゴルフ場内の別荘地は需要があるかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月25日号「バック9」より