昨年、50周年を迎えた欧州ツアー
1972年に発足し、英国に本部がある欧州ツアー。2021年にアラブ首長国連邦に拠点を置く港湾企業大手、DPワールドを冠スポンサーに迎え、昨シーズンから「DPワールドツアー」に名称変更した。
欧州を拠点に5大陸で行われる男子ツアーで、PGAツアーに次ぐ規模を持ち、昨年から日本の賞金ランク3位までの選手に出場資格が与えられるようになった。
50周年を迎えた昨年、日本ゴルフツアー機構(JGTO)との初の共催試合が実施される予定だったが、コロナ禍により、前後の週に予定されていた中国やシンガポールでの試合が開催中止。欧州選手の来日が見込めないなどの理由から延期となり、JGTOが単独で開催。「ISPSハンダ 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!」として行われた。
ニクラス設計の難コースが舞台
舞台となるPGM石岡GCは帝王ジャック・ニクラスの設計で、1999年から2006年まで男子ツアー、アコムインターナショナルが開催された。その最後の年の初日、当時4年連続でシード権を保持し、ツアー初優勝が期待された立山光弘が日本プロゴルフ史に残る記録を生んでいる。
8番、225ヤードのパー3。ティーショットをグリーン右手前の深いブッシュに打ち込むと、2打目は飛びすぎて左奥のブッシュへ。高さ1メートルほどの草に阻まれ、グリーンに乗せるまでに17打。1ホールで19打も叩いてしまった。
だが、立山はそこで集中力を切らさず、後半9ホールで4バーディと奮闘した。
1ホール19打は87年の東海クラシックで鈴木規夫がアウトのハーフトータルを、誤って9番ホールの欄に書き入れてしまった「42」に次ぐ記録だが、誤記でなく実際に大叩きした、この19打が実質のワースト記録だろう。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月2日号「ニッポンゴルフ初物語」より