「ISPS欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」の2日目、首位は10アンダーにスコアを伸ばした19年まで日本でプレーしていたジャズ・ジェーンワタナノンドら2名。日本勢は2打差の5位タイに金谷拓実、3打差8位タイに稲森佑貴、星野陸也、嘉数光倫と続く。現地からのレポートをお届け。

昨日に引き続き、現地からのレポートをお届けするみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修です。朝から気温が高く25度、風速3メートルと絶好のゴルフ日和だった2日目も上位陣はスコアを伸ばす展開になっています。

画像: 首位と2打差5位タイの金谷拓実に続く3打差8位タイで予選ラウンドを終えた嘉数光倫(左)

首位と2打差5位タイの金谷拓実に続く3打差8位タイで予選ラウンドを終えた嘉数光倫(左)

ボールをコントロールする術を大学教授と取り組んできた嘉数光倫

午前スタートのタイのジャズ・ジェーンワタナノンドとオーストラリアのルーカス・ハーバードがともに63の7アンダーを叩き出し首位に躍り出ました。R・ハーバードはDPワールドツアー通算2勝で今季のランキング11位と好調な選手です。

午前スタートの嘉数光倫(かかずてるみち)選手について歩きました。前半3バーディ2ボギーとスコアを伸ばすと、後半はショットが安定し1番パー4、5番パー5とバーディを重ねスコアボードを駆け上がります。しかし、7番、8番で3パットのボギーで後退するも9番をバーディとし7アンダーでホールアウトしました。

「前半はピリッと来なかったが何とか2アンダーでまとめられた。後半になって徐々にスウィングの力感が出てきて安定したプレーをしていたのですが、7番からパッティングのミスでボギーを2つ打ってしまった。ただ最後に取り返すことができたので良い一日だったなと思います」(嘉数光倫)

特に後半の9ホールは、欧州ツアーの選手に負けずと劣らないドライバーとアイアンショットでチャンスを作り、グリーンを外してもアプローチでパーを拾う姿は落ち着いて自分のプレーをできていたように見えます。ドライバーショットはしっかりと振り切れていていましたし、アイアンは距離感と方向性も同組の欧州選手に引けを取らない精度を見せていました。

画像: 18年から行っている球をコントロールする取り組みが安定したショットを生む

18年から行っている球をコントロールする取り組みが安定したショットを生む

ラウンド後の会見で安定したショットのために取り組んできたことを聞くと、弊サイトの連載でおなじみの医師であり福岡大学名誉教授の清永明先生にアドバイスをもらって積み重ねた来たことが安定したショットが打てることにつながったといいます。

清永先生は、心臓病を患いリハビリのために大学生の頃にゴルフを始めると。2年半後には九州学生選手権を制覇。3連覇を達成しゴルフのとりこになった人物。解剖学、運動生理学、物理学、幾何学、身体運動科学などの見地から技術習得のデータを分析する異色の大学名誉教授なんです。

具体的には「ショットで球を操れるように最初から右に曲げない、左に曲げないようにと取り組んできました。21年ころから安定してきたのは、先生のアドバイスのおかげです」と九州での試合で会うのを楽しみにしていると話します。

嘉数選手は、沖縄県名護市出身の33歳で、3月に開催されたニュージーランドオープンで3日目を3位で終え優勝を目指しましたが、最終日は伸ばせずに12位タイで終えました。

その試合の2位タイには同じく今大会で6位タイに位置する池村寛世選手も参戦していました。コロナ禍がおさまりオフの期間に海外の試合に出場する選手が多くなりました。金谷拓実、比嘉一貴、香妻陣一朗選手などアジアンツアーやDPワールドツアーにも出場してきた選手は今大会でも上位に顔を出しています。来年以降もますますオフの海外参戦が増えそうです。

コースコンディションはベストな状態だ

コースで進行係を務めるDPワールドツアーの関係者に話を聞くと「コースは素晴らしいコンディション。特にグリーンは年間を通してもここまで素晴らしいコンデイションはお目にかかれないほどです。グリーンのベント芝は欧州でもありますが、コーライ芝は初めてで春先の早い時期でしたが十分に生えそろっていますね。これから何年もDPワールドツアーとのジョイント試合を続けたいと思っています」と話してくれました。

画像: 新緑がまぶしい5番576ヤードのパー5で果敢に2オンを狙い、バーディを奪った嘉数光倫(写真は2打目地点)

新緑がまぶしい5番576ヤードのパー5で果敢に2オンを狙い、バーディを奪った嘉数光倫(写真は2打目地点)

確かに温暖化の影響もあるせいか4月下旬にもかかわらず、夏日のような気候が続いていますし、フェアウェイもラフや樹々も新緑で輝いて見えます。秋口の「ZOZOチャンピオンシップ」はPGAツアー、春先の「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」はDPワールドツアーへと門戸が広がることで日本ツアーのレベルも上がっていくことが期待できます。

ムービングデーの土曜日、そして最終日のバックナインでスコアを伸ばした選手が、DPワールドツアーとの共催試合の初代チャンピオンになることでしょう。先着500名入場無料、アイスも食べ放題、最終日の表彰式後にはプリンセス天功のイリュージョンも開催されます。ぜひ足を運んでみてください。

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