14歳から一緒にゴルフに打ち込んだ同級生コンビ、ニック・ハーディとデービス・ライリーが通算30アンダーでうれしいツアー初優勝を飾るなか、デーリー&デュバルペアは予選ラウンド75-83の通算14オーバー、最下位で予選落ち。2日目のフォアサム(2人が交互にひとつのボールを打つ)でマークした84は大会ワーストスコアのおまけつきだ。
最終日200ヤード超えの14番パー3でライリーがあわやホール・イン・ワンのスーパーショットで、相棒ハーディがタップインバーディを決め逆転の口火を切ったが、同じ14番(その日は226ヤード設定)で2日目にデュバルが放ったティーショットは163ヤードしか飛ばずグリーン手前に広がるウェイストエリアに着弾。60ヤード以上ショートするツアーでは決して見られない光景に本人たちはもとよりギャラリーも面食らった。
デーリーのアプローチも寄らず入らず結局ダブルボギーの『5』。2人のうち良い方のスコアを採用する初日のフォアボールは普通どちらかがアグレッシブに攻めてバーディを狙い、一方は確実にパーを確保するチームワークでスコアを伸ばすものだがデーリー、デュバルペアは同じホールで2人が仲良くダボやボギーを連発しスコアメイクならず。
チャンピオンズツアーでそこそこの成績を残しているデーリーだがPGAツアーで最後に予選を通ったのは19年のバラクーダ選手権。テレビ解説に転じたデュバルは8年前の全英オープンで予選を突破して以来決勝ラウンドに進出したことがない。
そんな2人がなぜ出場を決意してしまったのか? 魔が差したとしか思えないが大会側からデーリーに出場の打診があり、レギュラーツアー時代一緒に戦ったデュバルをパートナーに指名し50代コンビの誕生となったらしい。
デュバルは全盛期にタイガー・ウッズとコンビを組み太平洋御殿場Cで開催されたワールドカップ(2001年)に出場。通算24アンダーで4チームと首位を分け合いプレーオフに進出したがアーニー・エルス&レティーフ・グーセンの南アペアに敗れ2位タイに終わっている。
63歳にしてマスターズで予選を突破したフレッド・カプルスのような選手もいるが、強かったプレーヤーが年齢を重ね普通の人になってしまうのを見るのは切ない。この際笑い話として語り継ぐしかない?