青学駅伝選手から"スピードゴルファー"に転身?
1979年にカリフォルニアで生まれたこの競技は、9ホールないし18ホールのストロークプレーに加え、ラウンド時間の1分を1打に換算。合計した数字(スピードゴルフスコア=SGS)で競う。
例えば100ストローク、60分15秒ならSGSは160.15。なおクラブは7本以下。日本では17年に日本スピードゴルフ協会が設立され、今年は全国で7試合を予定。知己さんが挑戦したのは、ツアー3戦目の「GDO湘南スピードゴルフチャレンジカップ」。
そこで、同大会へ出場を決めた経緯を聞いた。知己さんは現在、青山学院大の3年生。昨年まで陸上部にいた。幼稚園から同学院に通い、高校時代は陸上とゴルフの2つの競技に参加。
ゴルフでは1年生のときに東京都高校秋季大会に出場し、29位の成績を収めた。一方で幼稚園から青学駅伝チームの陸上教室に参加し、高3から陸上に専念して箱根駅伝への夢を描いたが、叶わなかった。
少数精鋭主義をとる部から引退勧告を受けてしまったのだ。
そんな折、知己さんにスピードゴルフの誘いがあった。結果はSGS61.26(9ホール)で3位入賞。
「初体験でしたが、ゴルフの腕前が5割、走力2割、マネジメント3割といったところですね。ゴルフの部分ではまだ伸びしろがあるとは思いますが、1打1打に一喜一憂できる"普通のゴルフ"にも未練があります」(知己さん)
試合後、優勝した新本達也選手から実力を買われ、「世界大会のペア競技で日本代表に」と乞われた。
陸上部の監督も「青学駅伝チームで鍛えた走力が生きている。世界を目指せ」とエールを送った。奇しくも今大会が行われたGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスは、箱根駅伝3区と8区に隣接するコースだった。
新しい目標を見つける縁になるかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月9・16日号「バック9」より