アマチュアを悩ませるアイアンのダフリ。これを防ぐのに効果的だと石井忍プロがおすすめするのが、通常のグリップと左右の手の位置を逆にして握る「クロスハンド」での練習だという。シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

アマがダフる原因は「左サイドの詰まり」にあった

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフってミスの出るスポーツですから、当然ラウンド中にはたくさんミスをします。なるべくそのミスの幅を少なくしたり、許容範囲内に抑えることが大事なんですね。

でもね、出ちゃうんですよどうしようもないミスが。例えばアイアンの大ダフリ。飛ばしたいとか、寄せたいなんていう欲が出ると、びっくりするくらいダフっちゃったりするんですよ。週刊ゴルフダイジェスト5/30号に「効果絶大! クロスハンドドリル」という記事がありました。これをしっかりやればダフリ&トップの悩み解決! ってことなので、さっそくやってみました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2023/5/30号で特集されていた、ダフリを防ぐ「クロスハンド」ドリルを実践!

週刊ゴルフダイジェスト2023/5/30号で特集されていた、ダフリを防ぐ「クロスハンド」ドリルを実践!

この記事で解説してくれている石井忍プロによると、アマチュアのダフリの原因はスウィング中に体の回転が止まって上体が突っ込み、左サイドが詰まってしまうのが原因。「当てたい」という意識が強いほど、この動きになりやすいそうです。普段はその詰まりを、なんとか手首をほどき前傾を崩すことで帳尻を合わせて打っているのですが、タイミングが少しずれるだけでダフリになってしまうんですね。

画像: 体の回転が止まり左サイドが詰まってしまうと、手で合わせて打ってしまう

体の回転が止まり左サイドが詰まってしまうと、手で合わせて打ってしまう

クロスハンドをすることで手首を使えなくなり、ごまかしが効かなくなります。なので、しっかりと左に踏み込み、体を止めずにフィニッシュまで回転し続けるスウィングが身につくということなんですね。

画像: クロスハンドで握り、アイアンで肩から肩くらいのコンパクトなスウィングでボールを打つ

クロスハンドで握り、アイアンで肩から肩くらいのコンパクトなスウィングでボールを打つ

正しいクロスハンドの打ち方は?

では正しいクロスハンドの打ち方ってどうやるのでしょうか。基本的にはアイアンで肩から肩くらいのコンパクトなスウィングでボールを打ちます。ポイントとしては、切り返しで左に踏み込むことが大事なのだとか。体の回転でテークバックし、切り返しでは左にグッと踏み込みダウンスウィングします。ここで注意することは、腕や上半身から先に動かないこと。下半身から切り返し、クラブは少し置いてくるような感覚がいいようです。

画像: (左)切り返しではしっかりと左に踏み込むことが大事。(右)上体が突っ込んでしまってはダメ

(左)切り返しではしっかりと左に踏み込むことが大事。(右)上体が突っ込んでしまってはダメ

もうひとつのポイントが、左肩を斜め上に動かし続けること。左に踏み込んだ後は、腕を振るのではなく体の回転で腕とクラブを引っ張っていく感覚。最後まで体を回転させ、胸が目標方向を向くまで回るようにする。左肩が止まってしまうと、左サイドが詰まるのでいろいろなミスが出てしまいます。

ボールに当てに行く意識が強いと体の正面でインパクトしようとしてしまい、回転が止まってしまうので、インパクトでは胸が左斜め下45度を向くくらいのイメージで振るのも大事だそうです。

画像: 左肩を斜め上に動かし続けることが大事

左肩を斜め上に動かし続けることが大事

実際に試してみると……

さっそくクロスハンドをやってみましたが、予想以上に難しいっす。トップが多いですが、ダフリも出ちゃう。やはり上手く当たらないかもという意識から、ついつい当てにいっちゃう動きが出てしまうんですね。なるべく下半身から動くことと、クラブを置いてきて振り遅れるくらいの感覚で振ると少しずつ当たるようになりました。あと、インパクト以降も手を使わずに回転し続けるイメージも大事。でもやっぱり普段の動きとかなり違うし、腕を使えないということでなかなかうまく打てないですね。いかに手で合わせて打っていたかってことがわかります。これがうまく打てるようになると、きっとスウィングやインパクトが安定するだろうな~と思います。

これがそこそこ打てるようになったとしても、このクロスハンドの動きを普段のスウィングに上手く落とし込めるのか? ってのが問題です。クロスハンドドリルというのは、石井プロによると「手を不器用にする」ためのものということなんです。いかにクロスハンドのときの不器用な感覚を残して普段のスウィングができるかってのが大事なんですね。そのためには、クロスハンドと同じくらいのコンパクトなスウィングから始めて、だんだんと大きなスウィングにして行くのがいいそうです。もちろん、左への踏み込みと、下半身からの動き出し、そして左肩を斜め後方に動かし続けるという動きは守らないといけません。

画像: 左への踏み込みはまあまあできていますが、インパクトではもう少し胸が飛球線方向を向いたほうがいいですね……なかなか難しいです

左への踏み込みはまあまあできていますが、インパクトではもう少し胸が飛球線方向を向いたほうがいいですね……なかなか難しいです

いろいろと試してみましたが、何球かクロスハンドで打ってから、順手でグリップしてクロスハンドのときと同じくらいのコンパクトなスウィングで何球か打つというのを繰り返すのがよさそうです。それで順手でもクロスハンドのような感覚で打てるようになれば、スウィングを少し大きくするのが良いんじゃないでしょうか。ラウンド中でも「力が入っているな~」とか「今日はダフリのミスが多いな~」って時は、ショット前にクロスハンドでの素振りを取り入れると良いんじゃないかとも思いました。

クロスハンドドリルはアプローチにも効果的

実はこのクロスハンド、アプローチにもかなり効果があるそうです。特にザックリのミスが多い人は、クロスハンドで練習するのがおすすめとか。ヘッドが低い位置に下りてきやすく、入射角がゆるやかになり、バウンスも効いてくれるのでザックリになりにくくなるんですね。コツはテークバックで左手を右手の下に潜らせるようにすること。こうすることで手打ちにならず、体がしっかりと動くそうです。

画像: (左)左手を右手の下に潜り込ませるようにテークバックする。(右)手元を上に持ち上げるような動きはダメ

(左)左手を右手の下に潜り込ませるようにテークバックする。(右)手元を上に持ち上げるような動きはダメ

普通のショットにもアプローチにも効くクロスハンド。ちょっと難しいドリルですが、挑戦してみる価値はあると思います。

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