パインバレーGC。今年も米ゴルフダイジェストが選んだアメリカのベスト100コースの第1位に選ばれたのは、このゴルフクラブだった。ちなみに第2位はオーガスタナショナルGCだ。
画像: 超プライベートコース、パインバレーGC(1981年の空撮写真より)

超プライベートコース、パインバレーGC(1981年の空撮写真より)

米国一の"名門コース"、パインバレーGCの"歴史的改革”

ともに以前は男性メンバーだけのプライベートクラブだったが、パインバレーのほうはオーガスタナショナルより10年遅れて女性会員にも門戸を開放し、昨年7月、初めてアニカ・ソレンスタムなどの女性メンバーを入会させた。

しかし性差別撤廃の圧力は女性メンバーを入会させるだけでは止まらなかった。先の5月10日、パインバレーのあるニュージャージー州の検事局は、同市民権部局が昨年起こした差別訴訟でようやく和解が合意に達したことを発表した。

「本日発表する和解内容は、性差別をなくすための活動を反映しているもので、誰も雇用や住居、公共施設などで性差別に遭うことがないようにするためのものだ」

と検事局市民権部長。具体的にはパインバレーGCには従業員の4%未満しか女性がおらず、同クラブが持つ敷地内の住居は男性名義でしか借りたり購入できない仕組みがあったことを是正させるものだ。

同クラブは今後女性だけに限らず、LGBTを含めたいかなる差別も行わないことを約束する一方、同州の市民権部門に10万ドル(約1360万円)、さらに女性キャディとニュージャージー州立大学の女子ゴルフ部の奨学金に合計10万ドルを支払うことで検事局と合意している。

というのも、ビジター収入や不動産収入などがあることから同クラブは完全なプライベートクラブとは認められず、同州の機会均等法や性差別の禁止法に抵触することになることから、一気に差別撤廃に進んだというわけだ。

21年から始まった同クラブの“歴史的改革”もこれで一段落。性差別や人種差別のあるところでツアー競技を開催しないことが各ツアーの規定となっている現在、近い将来、何らかの大会が開催されることになるかもしれない。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月6日号「バック9」より

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