少年・少女時代に憧れの人を見た、サインをもらった、話しかけてもらったという体験からプロを目指すゴルファーは多い。実際プロになった選手も多々。連覇がかかったメジャー、全米プロゴルフ選手権で不本意な成績に終わったジャスティン・トーマスだがひとりの少年に一生を左右するような忘れられない思い出をプレゼントしていた。
画像: 全米プロ最終日、ラウンド中もファンにサービスしていたトーマス。このあとひとりの少年が凄いプレゼントを手にすることになった(写真は2023年全米プロ選手権 撮影/Blue Sky Photos)

全米プロ最終日、ラウンド中もファンにサービスしていたトーマス。このあとひとりの少年が凄いプレゼントを手にすることになった(写真は2023年全米プロ選手権 撮影/Blue Sky Photos)

サディスティックなセッティングとなった今年の全米プロ。メジャー開催に備え舞台のオークヒルCCはコース改修をおこない、特にリニューアルされたアゴが垂直にそり立つバンカーが選手たちを苦しめた。

最終日の16番で優勝争いをしていたビクトル・ホブランがフェアウェイ右サイドのバンカーにつかまり2打目がアゴに刺さって脱出できず。そこでダブルボギーを叩いたことがブルックス・ケプカの勝利を後押しした。

トーマスも4日間を通してバンカーに苦しみ連覇どころか65位タイの下位に沈んだ。傷心の彼はラウンド直後、観戦に訪れていたひとりの少年にウェッジを手渡し足早に会場を後にした。試合で使っていたボーケイのプロトタイプ60度をプレゼントしたのだ。

Twitter: @Daniel_Rapaport tweet

twitter.com

ゴルフを嗜む人なら垂涎のお宝ウェッジ。それを惜しげもなく少年に渡した裏にはバンカーで苦戦し思うようなプレーができなかったから。いわば腹いせのようなものだが、憧れのスーパースターからウェッジをもらった少年にとっては生涯忘れられないプレゼント。

現場に居合わせた関係者が驚いたような笑顔でウェッジを手にする少年の画像をSNSに投稿すると瞬く間に拡散され、トーマスの善行としてメディアでも取り上げられた。

ウェッジといえばトーマスのコーチでもある父・マイクさんが息子の試合を観戦する際に杖代わり(?)に持ち歩いている60度のボーケイウェッジがまた特別だ。

バックフェースからネックにかけて息子と父の戦いの記録が刻まれているのだ。トーマスが何年にどの試合に出てどんな成績を残したのかが細かくびっしり刻印されている見たこともないような代物。これを彫ったのはボーケイウェッジのレップでスタンパーとしても確かな腕を持つアーロン・ディル氏。

「その週にあった思い出に残る出来事をこのウェッジに刻むのがマイクと私のクールな習慣になっている」とディル氏。昨年全米プロに優勝した時点で彫るスペースがなくなったため今年は新しいウェッジに文字を彫っている。

親子3代続くプロゴルファー一家。トーマス家のウェッジにまつわる逸話は多い。今回全米プロでトーマスのクラブをもらった少年がもしプロになったとしたら奇跡のようなストーリーが書けそうだ。

This article is a sponsored article by
''.