ペブルビーチに向け、どの選手も気合いが入っていた
「全米女子オープン最終予選」の会場は房総カントリークラブの東・西の36ホール。東コースは18年の日本プロゴルフ選手権や27年の日本オープンの会場にもなる距離もアップダウンもあるタフな6533ヤード・パー72、西コースは、距離も短く比較的フラットで6413ヤード・パー72とスコアを伸ばせるコースとなっています。
前半の18ホールを終えて西コースの首位に立ったのは、5アンダーで脇元華、アマチュアの吉田鈴、4アンダーに西山美希、小暮千広、岩井明愛らが続きます。東コースは6アンダーで佐藤心結、3アンダーでイ・ミニョン、3アンダーに清本美波(アマチュア)と続きます。今年の「全米女子オープン」が世界の名コースにも選ばれるペブルビーチGLで初開催されるので、選手たちもかなり気合いが入っているのが伝わってきます。
朝6時30分から西・東のアウトインから、雨の中をスタートしていきました。途中雨が強くなる場面もありましたが、10.5フィートですが雨のため止まるグリーンを積極的に攻め、スコアを伸ばさなければトップ5に入れない展開が続きました。
コースに出て風や雨、グリーンの状態をチェックし、選手たちのプレーを見てプレスルームに戻ってくると、1ホールごとに同行するスタッフからのスコア速報の無線が飛び交います。上位選手のスコアが目まぐるしく変わり、本戦出場を目指して攻めたゴルフをしていることが伝わってきます。
岩井明愛選手は、先週の「リゾートトラストレディス」で予選落ちしましたが、日曜の午前中まで現地に残って練習し調整し修正できたといいます。後半の東コースでも順調にスコアを伸ばしてトータル10アンダーまで伸ばし首位通過を決めます。世界ランク75位以内の資格で出場できる可能性も残っていましたが自力で出場権をつかみ、妹・千怜選手とともにペブルビーチGLでの姿が見られることになりました。
「今年、ホンダタイランドにも出させてもらって、それでさらに海外への挑戦したい気持ちが
強くなっていたので、こうやってまた海外にいけるのは嬉しいです。出るからには、上位⽬
指して頑張りたいです」(岩井明愛)
キレのあるアイアンショットが戻ってきた佐藤心結は2位通過で出場権をゲット
「リゾートトラストレディス」を単独2位で終えた佐藤心結選手も好調を維持し、前半を6アンダーでターンすると後半の西コースでもスコアを伸ばし8アンダーで終え出場権をゲット。3週前の「ワールドレディスサロンパスカップ」の練習場で、関根淳キャディとアドレスの向きと狙った弾道のすり合わせをしていました。そのやり取りで「この修正であと2、3週後には良くなって来るはずです」と、聞いていた言葉通りにアイアンショットがキレていました。
「海外が初めてで、プレーもしたことないんですけど、初めてプレーするところが、ペブルビ
ーチっていう素晴らしいコースなので、今は実感していないですが、最⾼峰の舞台で⾃分の
持ち味の⾶距離を活かして、楽しみたいです」(佐藤心結)
最終ホールで5メートルを強気で打って決めた木下彩選手が7アンダーの3位で出場権をゲット。6アンダーのプレーオフを勝ち抜いたのは三ヶ島かなと脇元華選手。結果的にレギュラーツアーで活躍する5名が出場権を得ることになりました。
確定ではありませんが、米女子ツアーを戦う畑岡奈紗、渋野日向子、笹生優花、古江彩佳、勝みなみ、西村優菜選手に国内ツアーからは山下美夢有、西郷真央、稲見萌寧、川崎春花、上田桃子、吉田優利、岩井千怜選手に今大会の5名を加えた18名と、アマチュアの馬場咲希選手も出場することになります。7月6日からの「全米女子オープン」がますます楽しみになりましたね。
写真/中村修