B・ケプカが制した今年の全米プロだったが、46歳の無名のクラブプロ、マイケル・ブロックもまた、主役の一人だった。
画像: B・ケプカの優勝がかすむほど、話題性満載だった全米プロでのマイケル・ブロック(Photo/Blue Sky Photos)

B・ケプカの優勝がかすむほど、話題性満載だった全米プロでのマイケル・ブロック(Photo/Blue Sky Photos)

マンデー廃止には、不満や反対の声が多い

全米プロを主催するPGAオブ・アメリカは、ゴルフ場でティーチングやマネジャー、プロショップのオペレーター(運営担当)などに携わるプロゴルファーも統轄する団体で、男女合わせて約2万9000人のメンバーが所属する。

同協会は毎年春にメンバーであるプロを対象に「PGAプロフェッショナル選手権」を開催。上位20人に全米プロの出場権を付与している。そこから現れたのがマイケル・ブロックで、各メディアでは「シンデレラ」という形容が躍った。

いまや彼はスター的な存在で、先週のPGAツアー競技「チャールズ・シュワブチャレンジ」や6月の「RBCカナディアンオープン」にスポンサー推薦で招待されることが決定。劇的なホールインワンを生んだ7番アイアンには、「5万ドルで譲って」というオファーまであったそうだ。

一方、1時間150ドルで行ってきた所属クラブでのレッスンは予約がいっぱいで、この先しばらくは新たな予約は取れそうにない。それでも彼は、「クラブプロとしての仕事に戻っても料金を値上げするつもりはない」とコメント。その人気と好感度はますますアップした。

まさに“アメリカンドリーム"の体現者だが、PGAツアーではそのチャンスが大きく減少する気配だ。今年新設された賞金総額2000万ドルの「昇格競技」は来年8試合を予定。出場枠70~80人限定で、基本的に予選落ちなし(J・ニクラスやT・ウッズは自身がホストを務める大会での採用に反対)。そしてマンデートーナメントも実施されない見通しだ。

アメリカンドリームとは、通常のPGAツアー競技というより、今回のようなメジャーや昇格競技など、より注目度の高い舞台から飛び出す無名選手の物語。それだけにこのマンデー廃止には、不満や反対の声が大きい。

マンデーは、間もなく発表される来季日程の注目ポイントのひとつだ。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月13日号「バック9」より

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