PGAツアー、国内男女ツアーで使用する選手は前作の「ローグST」からほぼ全員が「パラダイム」へと移行。既に多くの勝利を重ねていることからも大幅に進化していることは間違いないでしょう。その「パラダイムドライバーは」、これまで「パラダイム」、「パラダイム♦♦♦」「パラダイムX」、「パラダイムマックスファスト」と4モデルの展開でしたが、ツアーバージョンの2モデルが追加されました。数量限定にはなりますが、まさにプロがツアーで使用するツアーモデルを購入できることから予約が殺到しているようです。
「BMW日本ゴルフツアー選手権」の練習日に選手をサポートするツアーバスに寄ると「パラダイム♦♦♦S」と「ツアードライバー」を発見、後日取り寄せ、試打させていただきました。計測は、どちらのモデルもロフト10.5度、シャフトはフジクラTRベンタスブラック6S装着モデル。計測は、カメラ式の弾道計測器「GC4」を使い、ボールはタイトリスト「プロV1」を使用しました。
まずは、「パラダイムツアードライバー」から。ソール後方にある左右の弾道を変化させる可変式のウェートの重量を1.5グラム増量し15グラム、そしてフェース寄りのソールに2グラムのウェートを追加しています。ボディのすべてをカーボンとしていること、ジェイルブレイクも軽量化し余剰重量を大幅に確保できたこともあり、ウェートを増やしても全体のバランスはほぼ変わっていません。
455CCのややシャローで投影面積が大きく安心感のあるフォルムに、スピン量を減少させコントロール性を向上させるウェートをフェース寄りにしたツアーバージョンは、どんな弾道かとても気になっていました。
打ってみると、やや弾き感のある打感でスピン量は2500rpm前後とスタンダードモデルよりも300rpmは少ない印象。弾道は軽いドローを描き、しっかりと初速、飛距離も出ています。スタンダードモデルの最大の特徴はスウィートエリアが広く弾道のバラつきが少ない点でしたが、その特徴はそのままに弾道が強くなったように感じました。
もちろんベンタスTRブラックの低スピン性能も加わっていると思いますが、やさしさはそのままに、45m/s以上のヘッドスピードのあるゴルファーでもスピン量が増えすぎることはないでしょう。
続いて「パラダイム♦♦♦S」。なんといってもディープフェースで420CCの小ぶりで"塊感"のあるフォルムが特徴です。ネック調整機能はスタンダードな位置でもフェースは右を向いているように見え、叩いても左に引っかける印象を消してくれます。ソールのウェートは前を2グラム増やし4グラムに、後方は2グラム減らして12グラムに変更してあります。
ロフトが10.5度なので楽にボールは上がりましたが、「パラダイム♦♦♦」の9度はとてもハードな印象だったので10.5度を取り寄せて試打し直したことを思い出しました。「パラダイム♦♦♦S」も10.5度であれば難しい印象はまったく感じませんでした。ドローやフェードの打ち分けやティーを低くしてライナーを打ってみても操作性はかなり高いと感じます。ただ、「パラダイムツアードライバー」に比べて”つかまり過ぎない”のは間違いないです。
飛距離やボール初速も出ていますし、ベンタスTRブラックとの相性も良い感じです。打感は「パラダイムツアードライバー」よりもやわらかく感じました。
二つのモデルを比較してみると、ヒール側から撮影した画像にその特徴が表れています。左は「パラダイムツアードライバー」で右が「パラダイム♦♦♦S」なのは一目瞭然ですが、その厚み、前後長の長さ、フェース長も「パラダイム♦♦♦S」の方が短くなっています。
この形状の違いから「パラダイム♦♦♦S」は「パラダイムツアードライバー」ほど低重心、深い重心ではないことが見て取れます。フェースからお尻までが長い「ツアードライバー」の方が低重心で球も上がりやすくなっています。
フェース長も「パラダイム♦♦♦S」は短く、浅く低すぎない重心に設定してあるので、打点のバラつきの少ないゴルファーにおススメしたいモデルになっています。左を気にせず豪快に飛ばしたいなら「パラダイム♦♦♦S」、やさしさを求めながらもスタンダードモデルではスピン量が多いと感じるゴルファーなら「パラダイムツアードライバー」をおススメします。
既に「パラダイム♦♦♦S」は完売との情報が入ってきました。「ツアードライバー」はまだ予約受付中のようなので、お早めに。シャフトとロフトを選べば、きっと武器になるドライバーになるでしょう。