PGAツアーの「チャールズ・シュワブチャレンジ」でアルゼンチン出身のエミリアーノ・グリジョが8年ぶりにツアー2勝目を挙げた。
画像: チャールズ・シュワブチャレンジで8年ぶり2勝目を挙げたアルゼンチン出身のエミリアーノ・グリジョ(PHOTO/Getty Images)

チャールズ・シュワブチャレンジで8年ぶり2勝目を挙げたアルゼンチン出身のエミリアーノ・グリジョ(PHOTO/Getty Images)

「2011年高校卒業組」の"有名じゃないほう"が下剋上

2打リードで迎えた最終ホール、ティーショットをフェアウェイ右の水路に打ち込み、ボールがティー方向へ戻ってくる珍事に見舞われた。結局水路に入った地点からドロップしたが、3打目はカート道から打つハメに。ボギーセーブもならずダブルボギーで初優勝を狙うアダム・シェンクに並ばれプレーオフにもつれ込んだ。

悪い流れはそこまで。サドンデス2ホール目でバーディを決め勝利をつかむと、

「全てが報われた。あらゆる感情が頭の中を駆けめぐった」

と声を弾ませた。

ツアーデビューした8年前の開幕戦でいきなり優勝。その年の新人王にも輝いた。しかしそれ以降シードを落とすことはなかったものの、目立った活躍もなく時は流れた。

実は彼、ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマス、ザンダー・シャウフェレら2011年に高校を卒業した"クラス11"のひとり。16 歳でアルゼンチンを離れ、アメリカのIMGアカデミーに留学していた頃、スピースやトーマスとしのぎを削ったもの。しかしライバルが華々しくツアーを席巻するなか、知名度は下がり続けた。

だが『有名なほうの』クラス11の面々が今季未勝利のなか、ウェルズファーゴ選手権でこれまたクラス11のウィンダム・クラークがシャウフェレを倒して下克上に成功。そして今回グリジョが優勝するなど、目下"有名じゃないほう"が覚醒中なのだ。

プレーオフに備えて練習場に向かったグリジョはそこに居合わせた少年を打席に招いて自分のクラブを差し出し、即興レッスンを行った。プレーオフを待つ緊迫の場面にもかかわらず、グリジョの表情は温和でゴルフの楽しさを伝える喜びに満ちていた。このシーンはテレビでも放映され、好感度は一気に上がった。

もう“有名じゃないほう"と呼ばせない?

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月20日号「バック9」より

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