深堀圭一郎のキャディを務めた後、2004年にインストラクター活動をスタートした長谷川哲也。千葉市美浜区の「ディパーチャーゴルフ」をベースに様々な角度からゴルファーをサポートしている。そんな長谷川にスコアを安定させ、なおかつ一生使えるスウィングの基礎ができるドリルを教えてもらった。
クロスハンドで右手のイタズラを封じて手打ちにおさらば!
クロスハンドといえば、パットのグリップでは順手と双璧をなす存在。器用な利き手がイタズラするのを防ぎ、狙った方向に打ち出せるなど多くのメリットを見込めるが、これは一生使えるスウィングのための基礎作りの練習メニューとしても最適とのこと。確かに多くのプロもショットの練習に取り入れている。
「練習法として有効なのはもちろん、イギリスのマシュー・フィッツパトリックが2022年の全米オープンで優勝したときには、クロスハンドでアプローチしていたほど。実戦でも十分使えるテクニックなんです」(長谷川哲也コーチ・以下同)
やり方は言うまでもなく右手と左手を入れ替えたグリップで打つだけ。右利きなら右手が近く、左手が遠くなるわけでが、それだけでどんなメリットがあるのだろう?
「クロスハンドにすると右手が使いづらくなります。スウィングで問題視される手打ちは“右手打ち”と言ってもいいくらいで、右手が悪さをすることで起こりますから、使いづらくするだけで手打ちを防止できる。実際のスウィングでは右わきが締まり、右ひじが適度に曲がったインパクトになりボールを押すことができます。右ひじが支点になるような感じですね」
手首を支点にしてしまうと、アーリーリリースになり、ダフリやトップの原因になってしまう。左手リードで右手首の角度をキープする意識を持てば、右手を使い過ぎることなくしっかりとインパクトできるはずだ。
理想のハンドファーストインパクトが体感できる
練習はハーフスウィング目安で。はじめはクラブヘッドがボールに届かずに空振りしたり、チョロやトップも出るらしいが、たとえそうなっても無理やり手を使ってボールに当てに行かないことがキモだという。
「クロスハンドで無理やり手を使うとリードアームの左手首を折ることになってクリーンに打てません。実のところポイントは手ではなく体の回転でインパクトするとことにあります。体主導で動くとダウンスウィングで右の側屈が入り、左手首がいわゆるフラットリストのままボールをヒットします。こうなると必然的にハンドファーストのインパクトになります。逆に言うとハンドファーストでないと打てないことが体感できるわけで、インパクトゾーンを整えるにはもってこいなのです」
ちなみに右の側屈とは上体が右に倒れる動き。これができると右手が体の近くを通るので体が起きず、アーリーエクステンションを防げる。同時に手を一切使わなくても打てることがわかる。余計な動きが排除されるので、アプローチの安定度も爆上がりしそうだ。