飛ばしといえばドライバー。目一杯長く握って飛ばしたいところだが「実は短く握ったほうが飛ばせるゴルファーも多いんです」というのは、女子プロ、セキ・ユウティンを指導する奥村竜也プロ。短く握って飛ばすコツを、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

短く握るほうが飛ばせるゴルファーは多い!?

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ドライバーを持つと、やっぱ飛ばしたくなりますよね。で、目一杯長く持ってエイ! って振っちゃう。でも結局上手くミートできなくて飛ばなかったり、曲がったり……。

週刊ゴルフダイジェスト6/20号に「飛ばしたいなら短く握れ!」という記事がありました。そこには、実は短く握ったほうが飛ばせるゴルファーも多いんですよって書いてあります。これは気になるじゃないですか。ってことで、さっそく試してみることにしました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2023/6/20号で特集されていた、クラブを短く握って飛ばすコツを実践!

週刊ゴルフダイジェスト2023/6/20号で特集されていた、クラブを短く握って飛ばすコツを実践!

この記事で解説してくれているのは奥村竜也プロ。奥村プロはセキ・ユウティンの飛距離アップを成功させたプロなんですね。

プロゴルファーでも今平周吾プロやトミー・フリートウッド、ブルック・ヘンダーソンなんかは、かなり短く握っていますが、飛距離はけっこう出ているんですよね。僕なんかは短く握る=弾道を低くするとか、ラインを出していくというイメージです。しかし、奥村プロによると、短く握ったほうが飛ばせるゴルファーがたくさんいるということです。それはナゼなのでしょうか?

画像: 普段の握りよりも、かなり短く握ります

普段の握りよりも、かなり短く握ります

短く握ることで起こる3つの変化

奥村プロは、短く握ることで起こる3つの変化があると言います。まず「コンパクトに振れる」ようになるということ。短く握ることでクラブの慣性が小さくなるので自然とトップがコンパクトになります。そのことで、シャフトクロスやオーバースウィングになりにくくなるんですね。

画像: 普段はクラブの慣性もあり、少しオーバースウィング気味でも、短く握るとコンパクトなトップになる

普段はクラブの慣性もあり、少しオーバースウィング気味でも、短く握るとコンパクトなトップになる

2つめは「回転スピードが上がる」です。クラブの回転半径が短くなるので、体を回転させるスピードが上がるわけです。スウィング軸もブレにくくなるので、短く握ってもヘッドスピードが上がる人もいるようです。

画像: (左)クラブを長く握っているときのイメージ(右)短く握っていると回転半径が短くなるので回転スピードが上がる

(左)クラブを長く握っているときのイメージ(右)短く握っていると回転半径が短くなるので回転スピードが上がる

そして3つめは「ヘッド軌道が安定する」です。シャフトが短くなるぶん、シャフトのしなりやねじれも小さくなり、クラブの余計な挙動が減ります。そのことでヘッド軌道やフェースの向きも安定するんですね。

この短く握ることによる3つの変化で、ミート率が上がり、平均して飛ばすことができるようになるということなんです。

短く握ると構え方やボール位置もやや変わる

では、短く握って打つためのコツってなにがあるのでしょうか。まずは構え方のポイントです。ドライバーを短く握ると自然とスウィング軌道がアップライトになるので、その軌道に合わせてボールの近くに立ち、少しハンドアップに構えることが必要だそうです。ハンドアップだからといってグリップ部分を持ち上げるというよりも、近くに立つことで自然と腕とシャフトでできる角度が大きくなるというイメージです。

もう1つのポイントはボールを少し右に置くこと。そうすることで過剰なアッパー軌道が緩和されて、球が曲がる要素を減らすことができるそうです。

画像: ボールに近く立ち、少しハンドアップに構える。腕とシャフトでできる角度が大きくなるイメージ

ボールに近く立ち、少しハンドアップに構える。腕とシャフトでできる角度が大きくなるイメージ

そして次は振り方のポイント。短く握ることで右手の位置がグリップの先ギリギリのところにきます。そのためか、感覚的に右手と左手を少し離して握るスプリットハンドで握っているような感覚になるそうなんです。ホッケーでパックを打つ感覚に近いのだとか。そのために、右手でボールを押し込んでいけるというか、フェース面を感じながら振っていけるという、不思議な感覚になるということなんです。

画像: 右手の位置がグリップギリギリになるので、スプリットハンドで握っているような感覚になる

右手の位置がグリップギリギリになるので、スプリットハンドで握っているような感覚になる

引っ掛けが怖い場合は、テークバックを少しアウトに上げるようにすると、ダウンスウィングでインサイドから過剰にあおって打つクセを緩和できるそうです。

実際に短く握って打ってみると……

さっそく短く握って打ってみました。まず最初はいつもどおりに長く握って打ってみると、打ち出し角17度と少し高めの球で軽いフェード。これは僕の持ち球なので、いつもどおりのショットって感じですね。ヘッドスピードが42.2m/sでボール初速が62.3m/s。キャリーが226ヤードでランを含めた総飛距離が250.8ヤード。少しランが多く出る設定のようですが、キャリーの距離はこんなもんかなと思います。

画像: 普段通りに長く握ってドライバーを打つと、トータル250.8ヤード飛びました

普段通りに長く握ってドライバーを打つと、トータル250.8ヤード飛びました

で、短く握って打ってみました。もちろん少し近くに立ってハンドアップを意識して構えて打ちました。打ち出し角が15度と、2度ほど低くなりましたが、ヘッドスピードは42.0m/sでボール初速が61.1m/s。キャリーが220.5ヤードでランを含めた総飛距離が245.8ヤード。少しだけ距離は落ちましたが、低めの弾道で軽いフェードの球になりました。

画像: 短く握って打つと、245.8ヤード。やや飛距離が落ち、打ち出し角は15度と低めですが、振りやすく安定感があります

短く握って打つと、245.8ヤード。やや飛距離が落ち、打ち出し角は15度と低めですが、振りやすく安定感があります

やってみて感じたのは、ます短く持つことで安心感がアップするということと、やはり振りやすさですね。自然とスウィングがコンパクトになるし、軌道も安定します。そのおかげでミスヒットが少なくなるし、厚い当たりが出やすくなりました。スプリットハンドで振るような感覚というのは僕にはよくわかりませんでしたが、右手とフェース向きが同調するような感覚がありました。

10球以上数値を計測しながら打ちましたが、大きなミスは無く、弾道も安定していましたね。そして、ヘッドスピードが43m/sを超えるときもあったりして、短く握ったときのほうが飛距離が出たときもありました。

画像: けっこう厚い当たりになることが多く、低めの強い弾道が出ることが多かったです

けっこう厚い当たりになることが多く、低めの強い弾道が出ることが多かったです

僕はいままであまり短く握ってドライバーを打つということがありませんでした。低い球を打ちたいときや、狭いホールでラインを出したいときなんかに何度か打ったことはあったのですが、どうしても左に引っ張ってしまうミスが出がちだったので、やらなくなってしまったんです。今回やってみて、少しハンドアップを意識して、アップライトに振るイメージを持つと、左に引っ張るミスが少なくなりました。今までは短く握っても、長く握ったときと同じように構えて打ってしまっていたのがミスの原因だったのかもしれません。これならラウンドでも使えそうです。っていうか、普段から短く持ったほうがいいのかもと思いました。飛距離はほとんど変わらないし、ミスの幅が減るんですから、短く握らない理由がないですよね。これは実際にラウンドでもどんどん試していこうと思いました。

この記事には他にも短く握ったときの打ち方のコツや、セキ・ユウティンプロによる、グリップを持つ長さを使い分ける方法などが載っています。興味のある人は、ぜひチェックしてみてください。

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