「ニチレイレディス」練習日の練習場でトラックマンを置いて何やらヘッドを付け替えて打ち比べている選手を発見。よく見ると今季リランキングでトップを快走する桑木志帆がブリヂストンのツアー担当者とともに新しいドライバーをテストしている模様。

ブリヂストンの新ドライバー「BリミテッドB1 LS」を手に練習ラウンドを9ホール追加して手ごたえを確かめた桑木志帆
桑木志帆が使用している2018年モデルの「ツアーB XD3」ドライバーから、未発表モデルの「B1」ドライバーにヘッドを付け替えトラックマンで数値を計測すると、明らかにボール初速が上がり、スピン量は減少し、キャリー、総飛距離とも伸びていることが確認できた。

左が2018年モデル「ツアーB XD3」のトラックマンデータ、右が「BリミテッドB1 LS」ドライバーのデータ。赤丸の数値が大きく改善され、その性能の高さがデータから見て取れる
9ホールの練習ラウンドを終えて、練習場でテストを始めた桑木志帆にコメントを求めると「強い弾道で落ち際に伸びていく感じ。打感も最高です!」と、予定を変更して9ホールの練習ラウンドに出て行った。
桑木が使用するボールはブリヂストン「ツアーB XS」とスピン系のボール。打感のやわらかさや、スピン性能によるコントロール性の高さを気に入って使用しているものの、ドライバーでのスピン量が多すぎて曲がり幅が大きくなったり、アゲンストに弱くなる場面もあった。桑木にとってはその悩みを解決してくれる待ちに待ったニューモデルになりそうだ。

ブリヂストン「BリミテッドB1 LS」は見た目の形状はそのままに、ウェート配分を変更しスピン量を減少させたモデル
実際の数値を見てみると、旧モデルでは3200~3400rpm前後だったバックスピン量は2800~2900rpmと約500rpm少なくなっていた。その違いはキャリーとランを含めた総飛距離でそれぞれ10ヤードの違いとなって表れている。
9ホールをお代わりした桑木の練習ラウンドに同行すると、曲がり幅が減少していたし、アゲンストにも強い弾道を見せていた。
選手をサポートするツアーバスに寄って見せてもらうと、「BリミテッドB1LS」の他に「B1」、「B2」のヘッドを発見。前作と比べるとウェートの位置や重量の配分を変更しているようだ。
ウェート位置から推測するにソール後方にウェートがない「BリミテッドB1 LS」が最もスピン量が少ないモデルで、ソール後方の移動可能なウェートとフェースに近いウェートがある「B1」は中間のモデル、「B2」は慣性モーメントの大きさを持ち直進性が高いモデルといえるだろう。

新ドライバーのラインアップは3モデル。左から「BリミテッドB1 LS」、「B1」、「B2」
同じくテストをしていた佐藤心結は「『BリミテッドB1 LS』だとスピン量が少なくなり過ぎて球が散らばってしまうので『B1』がバッチリハマりました」と「B1」ドライバーで安定した曲がり幅の少ないフェードボールを連発していた。

新ドライバー「B1」を手に曲がり幅の少ない安定したフェードボールを連発していた佐藤心結
今季女子ツアーで優勝者のドライバーを見ると、スリクソン3勝、ヨネックス3勝、キャロウェイ2勝と続き、ブリヂストンのドライバーを使用した優勝者は吉田優利の1勝だけになっている。待望の新モデルがいよいよツアーでの使用が解禁されたことで、巻き返しを図れるか?注目していきたい。