男子ゴルフ今季メジャー第3戦全米オープンが史上初めてカリフォルニア州・ロサンゼルスCCで開幕。50年前ジョニー・ミラーがオークモントの最終ラウンドでマークした63の大会記録を塗り替えリッキー・ファウラーとザンダー・シャウフェレが62の大会新でトップに並んだ。今季ベスト10入り6回と長いトンネルを抜け復活が顕著なファウラーはデビュー当時ローリー・マキロイ、石川遼と並びゴルフ界の未来を担う3R(名前の頭文字が全員R)と称された。その3人がメジャーで再び躍動している。
画像: ホールアウト後、トップタイを称え合うファウラー(写真左)とシャウフェレ(写真右)。初日から人気のある選手たちがリーダーボードに並んだ。石川遼も25位タイを好スタートを切った(写真は2023年全米オープン 撮影/Getty Images)

ホールアウト後、トップタイを称え合うファウラー(写真左)とシャウフェレ(写真右)。初日から人気のある選手たちがリーダーボードに並んだ。石川遼も25位タイを好スタートを切った(写真は2023年全米オープン 撮影/Getty Images)

未だメジャータイトルを獲得していないファウラーだがこれまでのキャリアでメジャートップ10入り10回を数える。ここ数年スランプに苦しんできたが大会初日は10バーディ、2ボギーの8アンダーでリーダーボードの最上段に名を連ねた。

「ここのところスウィングがあまりしっくりきていなかったけれど、ようやく昨日(大会前日)いい感触が戻ってきた。今日は何も考えずただ流れに身を任せただけ。ティーショットが良かったので上手くまとめることができた」とファウラー。

ただ試合はまだ始まったばかり。「まだプレーするべきホールはたくさんあるし厳しい戦いになるだろう。でも少なくともいい感じでゲートを出ることはできたね」

松山英樹と一緒の組で回ったマキロイはフェアウェイを外さない安定したゴルフで5アンダー65をマーク、5位タイでホールアウトした。最終ホールで第2打をグリーンサイドのラフに打ち込み空振りするというアクシデントもありつつボギーをセーブし傷を最小限に食い止めた。もし優勝すれば14年の全米プロ以来9年ぶりのメジャー戴冠となる。

いっぽうロサンゼルスCCでの開催が決まったときから「出たいと思っていた」と日本予選で待望の出場権を獲得した石川は憧れの舞台で1アンダー69、25位タイとまずまずの滑り出し。2年ぶり7度目の最高峰メジャー挑戦に「欲をいえばもう少し良いゴルフをしたかったが、しっかり自分の力を冷静に出せた」と手応えを滲ませた。

いまから14年前、石川はゴルフ界の将来を担う新星としてファウラー、マキロイと並び称された。しかし米ツアーの分厚い壁に跳ね返され世界の舞台で名を馳せたのは10代の頃だけ。しかしゴルフは息の長いゲーム。技術的にはPGAツアーのプレーヤーと遜色はない。必要なのは勢いとあと少しの運だ。

珍しくスコアの伸ばし合いとなった全米オープンで残り3日、30代になった“3R“の戦いに注目したい。

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