未だメジャータイトルを獲得していないファウラーだがこれまでのキャリアでメジャートップ10入り10回を数える。ここ数年スランプに苦しんできたが大会初日は10バーディ、2ボギーの8アンダーでリーダーボードの最上段に名を連ねた。
「ここのところスウィングがあまりしっくりきていなかったけれど、ようやく昨日(大会前日)いい感触が戻ってきた。今日は何も考えずただ流れに身を任せただけ。ティーショットが良かったので上手くまとめることができた」とファウラー。
ただ試合はまだ始まったばかり。「まだプレーするべきホールはたくさんあるし厳しい戦いになるだろう。でも少なくともいい感じでゲートを出ることはできたね」
松山英樹と一緒の組で回ったマキロイはフェアウェイを外さない安定したゴルフで5アンダー65をマーク、5位タイでホールアウトした。最終ホールで第2打をグリーンサイドのラフに打ち込み空振りするというアクシデントもありつつボギーをセーブし傷を最小限に食い止めた。もし優勝すれば14年の全米プロ以来9年ぶりのメジャー戴冠となる。
いっぽうロサンゼルスCCでの開催が決まったときから「出たいと思っていた」と日本予選で待望の出場権を獲得した石川は憧れの舞台で1アンダー69、25位タイとまずまずの滑り出し。2年ぶり7度目の最高峰メジャー挑戦に「欲をいえばもう少し良いゴルフをしたかったが、しっかり自分の力を冷静に出せた」と手応えを滲ませた。
いまから14年前、石川はゴルフ界の将来を担う新星としてファウラー、マキロイと並び称された。しかし米ツアーの分厚い壁に跳ね返され世界の舞台で名を馳せたのは10代の頃だけ。しかしゴルフは息の長いゲーム。技術的にはPGAツアーのプレーヤーと遜色はない。必要なのは勢いとあと少しの運だ。
珍しくスコアの伸ばし合いとなった全米オープンで残り3日、30代になった“3R“の戦いに注目したい。