ドライバーの飛距離アップと言えばヘッドスピードを速くするイメージがあるが「やり方を間違えると逆に飛距離が落ちる可能性もあります。芯で打ってミート率を上げることに取り組んだほうがいいですね」と言うのは武田登行プロ。シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが、武田プロが教える「ドライバーの芯で打つための練習ドリル」を実際に試してみた。

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ドライバーの飛距離を伸ばすために、どうやってヘッドスピードを上げようかと日々研究しているわけですが、これがなかなか上がらない。重いものと軽いものを交互に振ったりとかしてるんですけどね。

週刊ゴルフダイジェスト6/27号に「ドライバーの”芯”で打つ方法」という記事がありました。その記事では「ヘッドスピードを上げるよりも、こっちが大事!」と書かれています。たしかに芯で打てなきゃ意味がないですもんね。どうやったら芯で打てるのか、やってみることにします。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2023/6/27号で特集されていた、ドライバーの芯でボールを捉えるコツを実践!

週刊ゴルフダイジェスト2023/6/27号で特集されていた、ドライバーの芯でボールを捉えるコツを実践!

この記事で解説してくれている武田登行プロによると、飛距離を伸ばすためにヘッドスピードを上げようとすることは間違いではないが弊害もあるということです。アマチュアはヘッドスピードを上げようとすると、力んでクラブを振り回してしまいます。ドライバーは一番長いクラブなので、そもそも前傾角が浅く、遠心力も強くなるので、上体が起きてしまう。そうなるとヘッドのトウにしか当たらなくなるし、逆に叩こうとすると体がボールに向かって突っ込んでしまうのでヒールに当たってしまいます。なので、ヘッドスピードを上げるためのやり方を間違えると、逆に飛距離が落ちる可能性もあるんですね。

画像: (左)上体が起きるとトウに当たってしまう。(右)ボールに上体が突っ込むとヒールに当たってしまう

(左)上体が起きるとトウに当たってしまう。(右)ボールに上体が突っ込むとヒールに当たってしまう

武田プロは飛距離を伸ばしたいのであれば、ヘッドスピードを上げることよりも「芯で打つ」ことによりミート率を上げることに取り組んだほうがいいと言っています。そもそも芯で当たらない原因は、スウィング中に体や軸がブレてしまうことにあります。具体的に言うと前傾角が崩れるということ。前傾角を崩さずにスウィングできれば芯に当たりやすくなるということなんですね。

芯で打つための重要なポイントが「クラブを”上げる”、”下ろす”という意識を捨てる」ことだそうです。どういうことかというと、アドレスの状態を飛球線後方から見て、上体の中心線をイメージします。テークバックではクラブをこの中心線の後方、「体の後ろ」へ、インパクトは中心線の前方、「体の前」へという意識を持つということなんです。この感覚が持てれば、前傾角を崩さずに芯で打つ感覚が生まれるということらしいです。注意することは前傾角を維持しようとして体を止めないこと。止めてしまうと手打ちになり、「上げる」「下ろす」イメージになってしまうということです。テークバックで左肩をしっかり入れて体で使うことが大事です。体の前、後ろという感覚がわかりにくい場合は、直立してクラブを水平に振ると理解しやすくなるそうです。

画像: テークバックではクラブが中心線の後方「体の後ろ」。インパクトでは中心線の前方「体の前」

テークバックではクラブが中心線の後方「体の後ろ」。インパクトでは中心線の前方「体の前」

「ボールから離れて打つ」練習ドリル

体の後ろ、体の前のイメージを踏まえて、芯で打つためのドリルが紹介されているのでやってみます。まずは「ボールから離れて打つ」というドリル。最初は15cmくらい遠くに立ち、慣れてきたら30cmくらい離れて打つということです。これだけ離れて打つと、前傾角が少しでも崩れるとボールに当たらないので、自然と前傾角を維持できるようになるということです。ポイントは体重をつま先側にかけること。かかと体重ではボールに当たらなくなるんですね。スタンスもいつもより少し広めにして、ハーフスウィングでゆっくり振ることから始めるといいようです。

画像: (左)いつもより15cmほど離れる。(右)いつもより30cmほど離れる

(左)いつもより15cmほど離れる。(右)いつもより30cmほど離れる

やってみましたが、やはり30cmになるとかなり遠いですね。ハーフスウィングならばなんとか当てることはできますが、それでも芯ではなかなか当たりません。でも前傾角を崩さずにスウィングするという感覚はわかります。30cmはかなり遠いので、少しずつ遠くしていったほうが良いと思います。

画像: つま先に体重をかけたままでスウィングする。かかとに体重がかかったり、前傾が少しでも崩れるとボールに当たらなくなる

つま先に体重をかけたままでスウィングする。かかとに体重がかかったり、前傾が少しでも崩れるとボールに当たらなくなる

「インパクトで止める」練習ドリル

2つ目のドリルはインパクトでボールをとらえた直後にスウィングを止める「インパクト止め打ち」ドリル。飛ばしたいと思うとどうしてもスウィングが速くなるので、自分ではコントロールするのが難しくなります。なので、小さい振り幅でゆっくり芯に当てることが大事。最初はゆっくりと飛距離20ヤードくらいから始めて、芯に当たる感覚をつかみながら徐々に振り幅を大きくし、スピードを上げて行くのがいいようです。

画像: インパクト直後にスウィングを止める。最初は小さい振り幅でゆっくり振って、芯に当たる感覚をつかむ

インパクト直後にスウィングを止める。最初は小さい振り幅でゆっくり振って、芯に当たる感覚をつかむ

やってみましたが、小さくゆっくり振っている時は、さすがに芯で打つことができます。スウィングが大きくなってくると、やはりだんだん芯を外すことが多くなりますね。芯でとらえたときの打感はとてもよくわかるので、その感覚を忘れないように続けると良さそうです。慣れてくるとテークバックで左足を上げて、ステップしながら打つと、芯に当てると同時に手打ちにならず体重移動を使ったスウィングも学べます。このドリルをやっていると、だんだん手で芯に当てる動きになっていきがちなので、このステップ打ちはやったほうが良いと思います。

ドライバーで「100ヤードを狙い打つ」練習ドリル

3つ目は「100ヤード狙い打ち」ドリル。これは練習場の100ヤードや150ヤードの看板を狙って打つドリルなのですが、いつも通りのスウィングで打ってしまうと飛びすぎてしまいます。なので、ヘッドスピードを下げてゆっくり打たないといけません。すると、これまでは感じなかったフェースがボールを強く弾く感覚がわかってくるそうです。飛距離をあえて落とすことで、逆に飛距離を伸ばす練習になるということらしいです。

画像: 練習場で100ヤードなどの看板を狙う。ヘッドスピードを落としてゆっくり打つのがポイント

練習場で100ヤードなどの看板を狙う。ヘッドスピードを落としてゆっくり打つのがポイント

これは後日コースの練習場でやってみましたが、ゆっくり振って方向性を出すというのがなかなか難しいです。手で振ってしまってはインパクトが不安定になるので、引っ掛けたり、擦ったり。やはりしっかりと体を使って振らないと安定しないですね。これはいろんな意味でとてもいい練習だと思いました。ドライバーだけではなく、アイアンなどでもやるといいかもしれません。

3つほど芯に当てるドリルをやりましたが、いかに前傾角を維持するのが大事で、そしてそれが難しいかということがわかりました。手打ちでは芯で打つことは難しいということも。みなさんもぜひ芯で打つ練習をして、飛距離アップを目指してください。

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