選手にとって試合は少ないより多いほうがいい。しかし試合数の多さから、ある意味困っているのが米女子ツアーの選手たちだ。
画像: 今季の渋野日向子はタイ、ハワイ、米本土、日本と長距離移動しながら、"世界"と戦っている(撮影/姉崎正・23年ホンダLPGA)

今季の渋野日向子はタイ、ハワイ、米本土、日本と長距離移動しながら、"世界"と戦っている(撮影/姉崎正・23年ホンダLPGA)

"米ツアー"と銘打っても開催地はアジア、ヨーロッパ、中米と広範囲に及ぶ

今季同ツアーでは34試合が開催される。人気が低迷し、試合数が激減した10年前に比べ3割近く試合数が増えており、盛況なのは良いのだが、選手に重くのしかかるのが移動の負担。

"米ツアー"と銘打っても開催地はアジア、ヨーロッパ、中米と広範囲に及ぶため、すべてを網羅した場合の移動距離は8万4000マイル(13万5000キロ以上)に達する。

これは実に地球3周分以上の距離だというから驚きだ。

昨シーズンは目的地までの距離が2000マイル以上の長距離移動が12回だったが、今シーズンは18回に増加。

たとえば今季メジャー初戦シェブロン選手権の前週にはロッテ選手権がハワイで開催され、そこからシェブロンが行われたテキサスへ移動するのに3800マイル弱を費やした。

今週以降もKPMG全米女子プロゴルフ選手権(6月22~25日)が東海岸に近いニュージャージー州で開催されると思ったら、次の目的地は全米女子オープン(7月6~9日)の舞台カリフォルニア州ペブルビーチGL。1週休みはあるものの、東から西へ時差3時間のアメリカ大陸横断の旅をしなければならない。

ベテランのステーシー・ルイスは

「私がツアーに出始めたころは移動もそれほど大変ではなかったし、試合から試合へ車で移動することもありました。でもいまは毎週飛行機。ロストバゲージが起こることもあるし、フライトがキャンセルになってイライラすることも多い。日常的なストレスにさらされています」

と窮状を訴える。

「これだけハードだとケガ人も出るし、体調不良の人も出る。自分で自分のスケジュールを管理し、ストレスを軽減することが大事です」

と同ツアーで選手の健康管理を担当するサッピア博士。

「このスケジュールが2、3年続けば選手たちへの影響も大きい」

1年で地球3周すれば影響がないわけがない!?

※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号「バック9」より

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