女子プロ1期生の同期でライバルが、初めて全米女子オープンに挑戦
1946年に第1回が開催され、女子メジャーのなかでは最も歴史がある全米女子オープン。今年で78回目を迎えるが、日本人が初めて出場したのは1970年。オクラホマ州のマスコギーCCで開催された第25回大会に樋口久子と佐々木マサ子の2人が挑戦した。
2人はともに1967年の第1回プロテストに合格した女子プロ1期生。川越CCに所属していた樋口に対し、佐々木は近くの嵐山CCを一時ホームとしており親交があったという。
佐々木は1968年に女子プロとして初めてミズノ( 当時は美津濃)と専属契約。ミズノの一社員となり、ウェア、クラブなど、すべてが提供されていた。
樋口の師匠であり、川越CCの社長でもあった中村寅吉は、海外に行くのなら企業と契約していたほうがいいだろうと、ミズノに頼んで樋口も契約。5年間世話になったコースを離れた。
72年には2人揃って決勝ラウンドに進出
当時の女子ツアーはまだ試合が少なく、女子プロ誕生3年目の1970年でも6月から11月までわずか6試合。そこで樋口と佐々木の2人は4月から7月の日本女子プロまでの3カ月間、アメリカツアーに挑戦したのだった。出場したのは10試合、その最後の試合が全米女子オープンだった。
日本人初の全米女子オープン挑戦は2人とも予選落ちに終わったが、帰国して日本女子プロに出場すると、樋口は2位に5打差をつけ優勝、佐々木も5位タイと上位に入った。
2人の挑戦は翌年からも続き、71年は樋口が予選突破。72年には2人揃って決勝ラウンド進出を果たし樋口14位タイ、佐々木45位タイの結果を残している。
53年前にわずか2人だけで始まった日本人の全米女子オープンへの挑戦。今年は22人もの日本人選手が女子ゴルフ世界一の座をかけて戦う。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月18日号「ニッポンゴルフ初物語」より