正しくテークバックするためには、手でクラブを操作してしまう「手打ち」をなくし、体の動きでクラブをコントロールすることが大切だ。プロゴルファー・大谷奈千代に正しいテークバックを実現するためのポイントを、イラストを交えて詳しく解説してもらおう。

「手打ち」は正しいテークバックの天敵!

スウィング中にヘッドが正しい軌道を通るためには、テークバックでシャフトプレーンに沿ってクラブを上げて、ダウンスウィングでもシャフトプレーンに沿ってクラブを下ろしていく必要があります。

そしてテークバックがうまくいかない人の多くは、手を使いすぎる傾向にあります。始動から器用な手を使ってクラブを操作してしまうと、クラブヘッドを自由自在に動かすことができてしまうので軌道が不安定になってしまい、様々なミスを引き起こしてしまいます。つまり手の使いすぎ=手打ちの改善が必要なわけですね!

画像: 正しいテークバックを行うために、手打ちは禁物。まずは体の動きで始動するコツを覚えよう

正しいテークバックを行うために、手打ちは禁物。まずは体の動きで始動するコツを覚えよう

手打ち改善①胸椎を正しく回転させよう

まずスウィングの始動では「胸を回すことでクラブが持ち上がる」のが正解です! 喉元からみぞおちまでの胸椎を飛球線後方に回していきます。

画像: 胸椎をしっかり回すことでシャフトプレーンに沿ったスウィングが実現できるという

胸椎をしっかり回すことでシャフトプレーンに沿ったスウィングが実現できるという

こうすることで、クラブを胸の前でコントロールすることができるようになり、正しくシャフトプレーンに沿ってクラブを上げて、下ろすことができるようになります。くれぐれも手だけでクラブを持ち上げないように注意しましょう。

胸椎を回す感覚をつかむためには、両腕を胸の前でクロスさせてシャフトを胸の前に当てるように持った状態で、上半身を回す練習ドリルがおすすめです。右に回転(バックスウィング)と左に回転(フォロースルー)を交互に10回程度行うようにしましょう。腰と胸の回転は合わせて40度程度なので、イラストAを参考に胸を正しい方向に回転させてみてください。

画像: イラストA:両腕を胸の前でクロスさせてシャフトを持ち、胸椎を左右に回す練習ドリル。スウィング中は腰と胸の回転を合わせて約40度程度回るので、イラストを参考に胸の向く方向に注意しながら回してみよう

イラストA:両腕を胸の前でクロスさせてシャフトを持ち、胸椎を左右に回す練習ドリル。スウィング中は腰と胸の回転を合わせて約40度程度回るので、イラストを参考に胸の向く方向に注意しながら回してみよう

上記のドリルで上半身が正しく回転することができれば、股関節に体重を乗せることができるようになるので次のステップに繋がります。

胸が正しく回らず、腕でクラブを持ち上げてしまいますと、肩が上がったり下がったりしまうため、スウィング中のギッコンバッタンの原因となり、ダフリの要素になってしまうので注意が必要ですよ。

手打ち改善②胸の中心とクラブヘッドは常に一直線上にあるイメージで

スウィングのパワーの源は股関節です。下半身の大きな筋肉を使ってクラブを始動させることが大切ですよ。まずはわかりやすいように、起き上がった状態で胸の正面にクラブが位置するように構えてみましょう(イラストB参照)。

イラストBの状態からテークバックしていきます。順番は右足をしっかり踏みながら、まずは腰を回します。その次に胸の中心を回し、最後に腕の中心を回しましょう。こうすることで、胸の中心と、クラブヘッドが常に一直線上にあるイメージでスウィングすることができるようになります。

画像: イラストB:テークバックで体を動かす順番は、右足→腰→胸→腕→クラブ。まずは前傾せずに起き上がった状態で、胸の中心とクラブヘッドとが常に一直線上にあるイメージで動かせるか試してみよう

イラストB:テークバックで体を動かす順番は、右足→腰→胸→腕→クラブ。まずは前傾せずに起き上がった状態で、胸の中心とクラブヘッドとが常に一直線上にあるイメージで動かせるか試してみよう

起き上がった状態でできるようになったら、前傾姿勢で同じ動きをしてみましょう(イラストC)。正しい手順を踏めば、腰の高さまでは手をまったく使わずにスウィングできることができるようになるので、アドレスで出来た肘とグリップの三角形をキープしたまま体でスウィングすることができるようになります。

画像: イラストC:イラストBの動きができたら、あとは前傾姿勢を取って同じことをするだけ。アドレスを正面から見たときの手元と腕で作られる三角形のシルエットをキープしたまま振るイメージを持ってみよう

イラストC:イラストBの動きができたら、あとは前傾姿勢を取って同じことをするだけ。アドレスを正面から見たときの手元と腕で作られる三角形のシルエットをキープしたまま振るイメージを持ってみよう

手でクラブを持ち上げてしまうと、手でインパクトを作ってしまいますが、上記のステップを踏めば、クラブヘッドがブランコのように動いてくれるようになるので、あとはクラブの通り道にボールを置いておくだけでストロークでボールをヒットすることができるようになりますよ。ショットの再現性を高めるために必ず必要な動作なので是非お試し下さい!

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