キャディの妹の励ましで、憧れの海外メジャー切符を手にした
5月29日、房総CC房総Cで行われた全米女子オープン日本最終予選会。1日36ホールの短期決戦を勝ち抜いた脇元華。最終予選会はどうだったのか?
「プレーオフもあったので結局、37ホール回りました。1日で2ラウンドは初めての経験で、ラスト9ホールはめちゃめちゃつらかったです。足に力が入らなくて、歩くのは私がいちばん遅かったですね。妹がキャディをしてくれていたのですが、『お姉ちゃん、頑張って』って励まされていましたから。予選会はカートが使えなくて全ホールを歩きました。もうヘロヘロで、かなり疲れました」
最終予選会は6アンダー、4位タイに入り、全米女子オープンの出場権を獲得した脇元は、いいゴルフができたと振り返る。
「ラスト9ホールでの2ボギーが悔やまれますが、それまでは安定したプレーができました。27ホールノーボギーでしたし、いやらしいパーパットも、難しいロングパットも決まってくれて、全体で見ればいいプレーができたと思っています。最後は夕方近くになってグリーンの芝も伸びてきてスピードが遅くなっていました。それが3パットにつながりましたね」
脇元はアメリカでの試合も海外メジャーも経験がない。初出場が最も歴史のある全米女子オープンとなるが、そのきっかけは?
「実は昨年も予選会に挑戦するつもりでした。ただエントリー締切りに間に合わなかったんです。今年はちゃんと参加できました。ずっと海外メジャーに挑戦したいと思っていたんです。今年の会場はペブルビーチですから、選手同士で『行きたいよね』と話していて、予選を突破できて本当に良かったです。でも実はコース名は知っていましたけど、正直よくわかっていませんでした。予選会が終わった翌日、YouTubeでペブルビーチを見て、海沿いでめちゃめちゃきれいなコースだなって思ったくらいですから」
大所帯の“チーム脇元”「予選突破して、少しでも旅費を稼ぎたい」
今年で78回を迎える全米女子オープン。賞金総額1000万ドル(約14億円)、優勝賞金180万ドル(約2.6億円)というビッグな大会となるが、脇元の目標は?
「今回は父、妹、トレーナーと大人数で行くので旅費がすごいんです。飛行機代、宿泊費、食費とか、いろいろお金がかかってしまって。だから予選を突破して、少しでもお金を稼ぎたいって思っています。スコアはどうでもいいというわけではなく、スコアも大事にしながら予選通過を目指し、そして楽しみたいです。自分の実力がアメリカでどこまで通用するのか。挑戦してみたいんです。
今からとてもワクワクしています。上位で戦えたら最高ですね。今回、小平智さんと組んでいた大溝雅教キャディにバッグを担いでもらえるのもラッキーでした。ペブルビーチを知っているので心強いです。唯一不安だった英語も大溝キャディがいるので大丈夫かなって思っています。いま指導してもらっている吉田直樹コーチも来てくれますし、自分のゴルフに集中できそうです」
脇元はアメリカのコースは、ほとんど回ったことがないという。コースに対する不安はないのか?
「芝質とかグリーンは日本とはまったく違うと聞いていますが、不安はありません。どんなコースなのか、すごく楽しみですね。今季の前半戦は悪くないと思っています。上位争いもできていますし、とくにショットが安定しています。イメージ通りに打てる回数が増えていますし、ミスも確実に減っています。あとはパッティングですね。バーディチャンスは確実に決めたいです。ラインに乗っているのにショートしたり、打ち切れない場面が何回かありました。上りならしっかりオーバーさせる、そういうメリハリのあるパッティングを意識したいです」
昨季、(ステップ・アップ・ツアーで)プロ初優勝を果たした脇元。海外メジャーでの経験が次へのステップにつながるはずだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月18日号「全米女子オープン初出場インタビュー」より