岩井ツインズも使用するヨネックスのアイアン
今季女子ツアーで大活躍の岩井姉妹が使用するアイアンの銘柄を答えられますか? 男子ツアーで池田勇太をはじめ、大槻智春など契約フリーの選手10名以上がヨネックスのアイアンを選んでいることを知っていますか?
というわけで、岩井ツインズも使用するアスリート系のアイアン4モデルをコースとインドアで試打して来ました。結論から言うと、打感や抜け、フォルムなどヨネックスはモノづくりの企業なんだなと改めて思わせる良いアイアンだったのですが、残念ながら世間一般にはあまり知られていないこともあり、ここでしっかりと紹介させていただきます。
今回4モデルを試打して一番驚いたのは、それぞれ個性を持たせたヘッドの性能だけでなく、カーボンとスチールシャフトを融合させたアイアン用のシャフトの振りやすさと弾道でした。
そのシャフトについては最後にとっておいて、岩井姉妹が使用する「EZONE CB511フォージド」から紹介します。
「EZONE CB511」はやさしいアスリートモデル
画像Aをご覧いただくとわずかに入ったグースネック、フェースの高さを少し抑えたシャロー形状のフォルムが特徴で、見た目からの難しさは伝わって来ません。7番のロフト角は32度と現代のスタンダードのロフト角になっています。
打ってみるとキャビティ部に装着されたカーボンプレートの効果もあり、軟鉄鍛造の柔らかいフィーリングが手に伝わってきます。
ドライバーのヘッドスピード45m/s程度で打った7番アイアン(シャフトはモーダス105S)のデータを見ると、キャリー155ヤード、弾道の高さ26ヤード、落下角度44.7度とグリーンで止められる弾道を示しました。
簡単に球を上げてくれて、スィートエリアも広く、アスリートモデルとしてはやさしいアイアンでしたが、ただ簡単というだけでなく、距離感を合わせたショットが打ちやすい打感のフィードバックもしっかり感じられ、アスリートモデルでありながらオートマチックに打てるモデルです。
「EZONE CB301」小ぶりでシャープ、マッスルの打感
続いて男子ツアーで契約フリーの選手が好んで使用している「EZONE CB301」。「511」や「501」と比べるとやや小ぶりでトップラインもシャープな印象。
打ってみるとボールが潰れるのを感じられるくらいの分厚い打感で、マッスルバックのモデルかと思うほど。小ぶりで男子ツアーで選ばれるのも納得の打感と小ぶりなヘッドならではの抜けの良さやシャープな打感が特徴です。
7番のロフト角は34度と、プロやある程度ヘッドスピードのあるプレーヤーに向けたロフト設定です。実際に試打したデータを見てみると「CB511」に比べてスピン量は約900pm多く、打ち出し角約2度高く落下角度も4度多いので、シビアなピン位置に対してしっかりとボールを止められる性能を持ち合わせています。
低すぎない重心位置設計のため、ある程度のダウンブローで打つことでその性能を発揮できるモデルになっています。バックフェースに埋め込まれたカーボンの効果もあり、マッスルバックのような打感に7番アイアンのロフト角34度と、コントロール性に秀でた性格を持っています。
「CB501」は「CB511」と「CB301」の中間のやさしさ
続いてキャビティバックモデルの「CB501」。同じくバックフェースにはカーボンプレートが埋め込まれマイルドな打感に「CB301」よりはわずかにやさしさを感じさせるフォルムに仕上がっています。
7番アイアンのロフト角は32度と「CB511」と同じですが、一番の違いはそのフォルム。「CB511」はややグースネックが特徴ですが、「CB501」は「CB301」と同じようにストレートネックになっています。
飛距離、スピン量、落下角度は「CB511」とほぼ同じデータですが、ドローやフェードの打ち分けは「CB501」のほうがイメージを出しやすいと感じました。マイルドな打感とトップブレードの厚みからやさしさを感じるフォルムが特徴的です。
「CB301」と「CB511」の中間になる見た目と性能を持ち合わせているので、3モデルを打ち比べて自分にマッチしたモデルを選べるラインナップになっています。
「MB301」は狭いソール幅でどんな芝やライにも対応できる
「MB301」は「CB301」のマッスルバック版かと思いきや、7番のロフト角は同じ34度の設定ながらソールの形状はまったくの別物。やや丸みを帯びた幅の狭いソールがどんな芝からでも打てるマッスルバックならではの性能を持たせています。
「CB301」と同じように高い打ち出し角とスピン性能、PGAツアーのグリーンで求められる落下角度50度に迫る数値が出ています。操作性、コントロール性、打感の良さはアスリート4モデルの中で随一のモデルです。
例えば、リンクスのような地面の硬い薄い芝や少し沈んだ洋芝、芝が立つコウライ芝やラフからでもプレーヤーの持つ高い技術を引き出すモデルといえます。
スチールシャフトの外側をカーボンで包み込んだ「レクシス スチールコア」
お待たせしました。今回の試打で最も印象に残ったアイアン用のシャフト「レクシス スチールコア」を紹介します。カスタム対応とのことで試打用に作っていただき打つことができました。実は片山晋呉選手がアイアンにこのシャフトを装着しています。
日本シャフトでもUT用にカーボンとスチールシャフトが融合したモデル「ゴースト」が存在しますが、アイアン用のハイブリッドシャフトは初めて試打しました。カーボンの反発力とスチールの粘る感覚が見事に調和されていて、とても振りやすいシャフトでした。
「i95S」(100g)と「i100X」(105g)にウェッジ用「W110」、パター用「P130」とラインナップもしっかりあります。
今回試打したのは「i95S」を「CB501」に装着したもの。中元調子でタイミングも取りやすく、振りやすさもあり飛距離も出ました。
「モーダス105S」装着モデルとの比較で、キャリー、打ち出し角、落下角度などわずがずつですが上回るデータが見て取れます。
すっかり気に入ってしまったので、ウェッジやパター用まで試してみたくなりました。全国に数十店舗ある「ヨネックスフィッティングスタジオ」でカスタムオーダーの対応をしてくれるそうなので、ぜひ試打していただきたいですね。
まとめると、岩井ツインズが使用する「CB511」はやさしいアスリートモデル、「CB301」はマッスルバックのような操作性のある小ぶりなモデル。「CB501」は二つの中間的なモデル。最後に「MB301」はどんな芝やライにも対応できるマッスルバックと、それぞれ個性を持たせたラインナップになっていました。ぜひお試しください。